第8話 もう1人の仲間と腐れ縁(後編)

扉を開けて入ってきたのは青色の髪の毛をオールバックでアロハシャツを着ている青年だった。

「おう!!久しぶりに来てやったぜ?ほら、土産だこれでなんか食わせろ!!」と言いながら様々な魚が入った網を投げてよこしてきた。網の中にはアジやタイ、そして鮭等の魚や貝類が入っていた。ナホはその魚達を見て目を輝かせていた。

「この量の魚を調理するとなると…少々骨が折れるな…ナホ…2品ほど任せていいか?」

と私が言うとナホは「任せてください!!」

と言って包丁を手に取り、アジ等小魚とハマグリを手に取り、下ごしらえを始めた。どうやら和風の汁物と塩焼きを作るようだ。

あまり品物が被ると味に飽きるため私はナホとは違い洋風の料理を作るとしよう。まず鮭を捌き、大きめの切り身に切り分ける。そしてその切り身に小麦粉を軽くまぶしておく。フライパンにバターを敷き熱してバターを溶かし、バターが溶けたら鮭の切り身を焼き始める、焼きながらバターを少しづつかけていきら香ばしさを出していく。火が通れば皿に盛り付け、フライパンに残ったバターにバルサミコ酢、そして魚醤を少々垂らしてソースを作り、ムニエルにかける、これで鮭のムニエルの完成だ。

ムニエルを作りあげた私がナホをちらりと見るとナホは既にハマグリのすまし汁を作りあげ、アジなどの塩焼きもほぼ出来ており、私が取っていなかった貝類のワイン蒸しも作っていた、このままだとナホの料理が冷めてしまうため私は少々動かす手を早めねばならないと思い、タイを尾頭付きのまま捌き、深めのフライパンにオリーブオイルを多めにしき、タイに焼き目を付けていく。焼き目がついたらハマグリをフライパンに加え、白ワインを注ぐ。白ワインはタイとハマグリが浸るくらいに注ぎ、ハマグリの口が開いたら1度取り出す。そしてここでオリーブオイルに漬けておいたセミドライトマトと刻んだフレッシュなトマトを加え、煮汁を煮詰めていく。煮汁が3分の1ほどまで煮詰められるとタイにも火が通っている為皿に盛り付ける、この際最後にセミドライトマトを漬け込んでいたオリーブオイルを少々垂らす。アクアパッツァの完成である。

何とかすべての料理が冷めきるまでに完成したようだ。一安心して全ての料理を2人の前に出す。…どうならアリアは料理の完成を楽しみにしていたようだ、その証拠に多めに作っていた中華粥は既に完食していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る