第22話 気遣い……?
はあ……
疲れた……
凜の爆弾発言のせいで午後も大変だった。
先生の聞くところによると、5,6限は授業中にスマホを使う生徒が沢山出たと先生に呼び出されたときに愚痴られた。
まあそれだけ騒ぎになれば内容も先生の知るところとなり、俺達は放課後、呼び出された。
先生達から叱責を受けるところだったのだが、凜の一言によって何も言うことが出来なくなり、そのまま解放された。
俺は生徒会で仕事があり、呼び出されていたため凜に先に帰るよう告げると生徒会室へと向かった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「君はなにか事を起こしていないと気が済まないのかな?」
生徒会室に入ると、会長に笑いながら迎えられた。
「会長。何も言わないでおいてあげるんで一発殴らせてください」
「ハハハッ、君は物騒だね~」
「………」
「………」
「提案なんですけど」
「聞こうか」
「あなたの失礼な発言をなかったことにする代わり、生徒会補佐を止めさせてください。滝とかいいんじゃないですかね」
「ふむ……」
「どうですか?」
「まあ良いだろう。本来一人の予定ではあったしね。君も付き合いたてホヤホヤなのだし、彼女と一緒にいる時間も沢山欲しいだろうからね」
「お心遣い、感謝します」
「あっ、はいはい!じゃあ私も!」
「ダメだよ?」
「なんでですか⁉」
「君は自ら志願したんじゃないか。それに生徒会終わる頃にはサッカー部も終わる時間だと思うよ」
「……わかりました」
「それでは失礼します」
帰るべく下駄箱へ行くと凜がいた。
「凜⁉どうしたの?」
「……一緒に帰りたかったから待ってた」
「ありがとう。それじゃあ帰ろっか」
「……うん」
「今日は寄ってく?」
「……行く」
「わかった」
帰り道は決して会話は多くなかったけど、楽しく幸せだった。
同棲が始まればこの幸せな時間が増えるのか、と思うと、やっぱり楽しみになってついついニヤケてしまう。
「……どうしたの?」
「ん?幸せだな~って、さ」
「……うん、私もだよ」
「会長、ブラックコーヒーありませんか?」
「奇遇だね、佐藤さん。僕もちょうど欲しかったんだ。奢るよ」
「ありがとうございます」
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