チートが無ければ俺は最強です

清水瀧

第1話

 俺は十八歳の高校に行かない家にずっといる引きこもり。

 

 お父さんは俺が幼い時になくし、母親は再婚し義理の弟ができた。と、母に知らされて以来母がどこに行ってしまったかわからないし、弟の姿を見たことがない。

 

 ただ知っているのは、二階の部屋に弟がいるということだけ。

 

 そんな引きこもりの弟に毎日ご飯を作ってあげ、届いた荷物はしっかり部屋の前に置いてやっている。


 そして俺は今日も学校に行かずに家で引きこもりライフを送っていた。。

 

 最近はあまりゲームにやる気にならないからだツイッターを見ていた。


 そんなときのこと、目につく記事があった。


『○○FPSゲーム名無しチーター疑惑』


 俺はその時見慣れた文字にあきあきとしていた。


 何故ならこの俺が『名無し』だからだ。もちろんのこと俺はチートなんてやってない。これはたんなるデマ情報。


「この世界はどんだけ理不尽なんだよ、少しゲームがうまっからすぐにチートなんて言われてさー」と、俺は嘆いていた。


 これが最初なのではなく何十回目かわからないくらいだ。


 負けたことなんてたったの一回だけしかない。


 そう俺は一回しか負けたことのない自分で言うのもなんだが、最強のゲーマーなのだ。


 そのため俺の部屋は、ゲームするためのような部屋になっている。


 パソコンのモニターは四台、パソコンに繋がっていてケーブル類はきれいにまとめてある。俺がいつもプレイしている後ろにベッドがあり、ベッドの頭の部分には本棚があり沢山のライトノベルが入れてある。


 こんな感じの八畳くらいの部屋でいつも引きこもりゲームライフを送っている。


 そんな話はさておき、毎回チーターと疑われてしまい捕まりそうになる。これ以上続けてしまうと、ゲームが一生できなくなってしまうかもしれない。


 ただでさえお金がないと言うのに罰金なんて真平ごめんだ。


 だから俺は疑われた瞬間そのゲームをやめる。


 それがいつものスタイルなのだ。


 そんなことを思いながら記事を見た後俺は他の記事を見ていた。


 すると、もう一つ気になる記事があった。


『新作ゲーム、チートの可能性ゼロへ』


 そのゲームを俺はすぐに検索をして調べてみた。


 ゲームの内容はどんどんモンスターを倒してレベルを上げて強くなっていき、強い敵を倒していき、戦っていくゲームになっている。


 オンラインで大会とかもあるみたいだし、楽しそうだ。


 ちなみに俺はこういう系統のゲームは苦手のなのだが、チーターって疑われないなら何でもいいと思って、予約してしまった。


 ゲームが届く日になった。


「ピンポーン」


 奴がやってきたか。


 俺はかなりの引きこもり。だから外には出たくない。


 そんな時にはしっかりとした対応策がある。


 俺はインターホンに向かって言った。


「まず家のドアに付いているポストにハンコを押すやつを入れてください」

 そう言うと配達員はポストに入れてくれた。


 そして俺はその紙にハンコを押してペットが出入りすることができる扉から出した。


 よくよく考えればペット用の出入り口がなかったらどうなっていたのだろうか。


 そんなことはさて置き、俺はもう一度だけインに向かって言った。


「荷物を家に前に置いておいてください」


 そう言うと配達員さんは荷物を置いてくれて帰っていった。


 配達員さんもこれが1回目なのではなく何回も経験している。


「よし、これでミッション完了だ」


 こうして俺は玄関を出て荷物を取ろうとした。


 今日は弟の分もあるのか。


 段ボールが二個あって同じくらいの大きさだ。


 朝に届いた箱の一つをすぐに弟の部屋に運んで自分の分の荷物も部屋に持ち帰り、急いで箱を開けた。


 こんなにわくわくしたのはいつぶりなのだろうか。


 開けてみるとVRゲーム機器が入っていて見ているだけで俺は興奮して、居ても立っても居られなくなった。


 そして俺は早速かぶって電源を付けた。


「最初は名前からかー」


『名無し』にしようとしたのだが、顔がわかってしまいそうだったのでやめておいた。


 悩みに悩んだ結果俺は『鬱』にすることにした。ちなみに俺は厨二病が少しだけ残っていてこんな名前しか思いつかなかったのである。


 しかしこのせいで俺は学校に行けなくなってしまったので治そうと努力して今の現状に至っているのである。

 

 次にというボタンに触れると次は初期武器選びになっていた。


「武器も選べるのか!」


 しかも選択肢には拳銃があった。


 このゲームはもう俺の独占場で決定だ。


 迷わず俺は拳銃を選んだ。そして俺はOKマークを押して次に進んだ。


 すると周りの景色が一転して村の景色になった。



 俺は村の中心らしき噴水にリスポーンした。周りには沢山の人でにぎわっていた。


「発売されたばかりなのにこんなに人がいるんだー、流石期待しただけあるなー」


 やはり最近はチートが多くてつまらないと言う人もかなり多くてみんなこのゲームに期待を寄せていたのだろう。


そんなことを言っていても何も始まらないことに気づいた。


 こういう系統のゲームはあまりやったことがないから全然よくわからないのが今の俺の現状である。


「取り敢えずモンスターでも倒してきますか」


 そういって俺はモンスターのいそうな森にやってきた。


 するといきなり猫のようなモンスターが現れた。それと同時に俺は拳銃を取り出して打った。


 するとモンスター倒れは姿を消した。それと同時に石が出てきたので一応拾っておいた。そして俺はあることに気づいた。


 球が無限にあるということだ。


「さっきのはエイムもよかったし瞬発力も良かったなー」


 自分で自分をほめていた。


「この調子でどんどん倒しちゃいますか」


 そういって俺はどんどんモンスターを倒していった。


「疲れたなー」


 あれから何体倒したんだろうか。空に飛んでいる奴らも全部倒してしまったし陸には倒し過ぎてしまったのだろうか?


 もうモンスターが出てこなくなってしまっていた。


 おそらくここにはモンスターはしばらくこなそうだな。

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