八六 激動の時代を生き抜き神様になった! 明治天皇~前編~

 鎌倉時代になり武士が政権を握るようになると、サムライがピックアップされます。

 

 源氏、北条、足利、織田、徳川など武家が歴史の教科書にも載るようになりますね。


 その反面、鎌倉~江戸の間は武士が活躍する時代は、天皇家はあまり目立ちませんが、明治時代なると急に明治天皇が歴史の表舞台に立つようになります。


 というのも明治時代は、江戸幕府と共に武士の時代が終わり、鎖国を解き、一気に近代化した時代です。


 この一連の変革が『明治維新』なのですが、明治天皇はこの激動の時代に天皇に即位し、新しい時代を築いた天皇でもあります。


 この解説でも『明治天皇』と『明治政府』の名前は、ちょくちょく出てきましたよね。 

 

 明治天皇は橿原神宮や白峯神宮、建勲神社という新しい神社をつくり、明治政府は『神仏分離令』を出し、国内の宗教に改革をもたらしまた。



 宗教面だけでなく政治や、人々の生活に影響を与え、日本に新しい風を呼び込んだ明治天皇の功績を称え、現代では東京の『明治神宮』にて神様として祭られています。

 

 それでは明治天皇がどんな人だったのか見ていきましょう!



【鎖国によってテクノロジーに差ができた!?】

 豪華絢爛な日光東照宮に作りなおした徳川家光を覚えているでしょうか?


 家光が外国との貿易を断つ『鎖国』という政策を行います。


 理由は様々ですが、当時のヨーロッパは積極的に植民地を増やしていたので、国を守る為に国を閉ざしていたののです。


 さて、国を閉ざした事により、日本は平和な時代が続いていました。反面国内は変化に乏しく、技術面でどんどん遅れていく結果となります。

 と言うのもヨーロッパでは産業革命が起き、蒸気機関を発明したりしてテクノロジーをどんどん発展させていたのです。


 開国をする事になった切っ掛けといえば『黒船来航』が有名ですが、ペリーが乗っていた黒船は蒸気機関で動いていたです。

 

 この頃、日本の主な移動手段は徒歩か馬でした。一方外国では蒸気機関車が走っており、まだ普及はしていないものの自動車はすでに発明されていました。

 このように日本と欧米諸国とはテクノロジーの差が大きく開いていたのです。

 糸電話とスマホくらい技術に差があったと言っても過言ではありませんねw


 ちなみにペリーが「日本ノ皆サーン、開国シナサーイ」と来日する約10年前に、あの発明王エジソンが誕生しています。

 世界と比べてみると、日本はかなり遅れていたのがわかりますね。


 ペリーに開国を迫られた幕府は……


ペリー「開国シナイト、最新ノ大砲ウチコムヨ」

幕府「わかりました! 開国します! あ、天皇に許可とるの忘れてた。まあいいか」

 

 このように朝廷に許可を取らず開国したので「徳川は天皇を舐めている!」という不満が募ります。


 また黒船来航によってテクノロジーの差を見せつけられた日本は、「このままだと日本は欧米に乗っ取られちゃうよ!  どうするの!?」という不安に苛まれます。

 そりゃ糸電話とスマホくらいテクノロジーに差があったら、シェアがとられてもおかしくないですよねw


 幕府への不満、そして将来の不安が募り倒幕運動へと発展して、いわゆる『幕末』が訪れます。


 さて、幕府を倒して新政府を立ち上げようとする動きが高まっていく中、15代目将軍徳川慶喜とくがわよしのぶが動きます


慶喜「わかったよ! もう、政権は天皇に返上します。これでいいでしょう」


 なんと慶喜から政権を手放したのです。これが『大政奉還』という出来事ですね。

 

 しかし、大政奉還には慶喜の狙いがあって……


慶喜「政権は返したけどさ。結局トップは俺達徳川のものだよねー。なんか倒幕、倒幕って騒いでる連中も、これで大義名分無くしたでしょ。だって徳川は政権を返したんだもん! フハハハハ」


 政権を天皇に返上したと言っても、形式上のものだったのです。このまま徳川の独裁政権が続くのかと思いきや、ここである人物が現れます。


???「ちょっと待ったー!!!」

慶喜「お、お前はー!」

岩倉「俺は岩倉具視いわくらともみ。慶喜が大政奉還なら、俺達は『王政復古の大号令』で勝負だ! 新政府の樹立を宣言する! これで徳川は終わりだー」

慶喜「お、王政復古の大号令だって!? う、うわー、新時代の風には勝てない! やられたー」


 大政奉還と王政復古の大号令って、学校の授業ではセットで機械的に覚えさせられましたが、幕府VS新政府による、高度な政治対決だったのです。


 こうして明治新政府が誕生するのですが、この後、新政府軍と旧幕府軍による『戊辰戦争』が発生。

 この戦争により新政府軍が勝利し、日本は一気に近代化していきます。


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