八二 日本三大悪妖怪から神様へ! 祟徳天皇~前編~
京都にある
この白峯神宮の創建は比較的新しく、1863年に明治天皇の勅令にてこの神社が設立しました。
白峯神社が建っている場所は元々、
とは言え祭神である祟徳天皇と、スポーツは関係なく、非業の死をとげ怨霊と化した祟徳天皇の怒りを鎮めるため造られた神社でもあります。
その怨念はすさまじく、日本三大悪妖怪に数えられるほどです。
他の日本三大悪妖怪といえば鬼の酒呑童子、白面金色九尾の狐です。
酒呑童子は都を荒らしまわり、お姫様をさらうというわかりやすい悪者でした。クッパに似ていますねw
しかし酒呑童子、
白面金色九尾の狐は玉藻の前という美女に化け、天皇に近づき朝廷を滅ぼそうとしましたが、正体を暴かれ討伐されてしまいます。
白面金色九尾の狐は人気漫画『うしおととら』に登場するので、知っている方も多いんじゃないでしょうか。
知らない人は面白い漫画なので、読んでみてください。
さて、酒吞童子と白面金色九尾の狐は退治されましたが、祟徳天皇は未だに倒されていません。
寧ろ国家鎮護の神様として祭られる事になりました。
祟徳天皇はどのような人物で、何故怨霊になってしまったのか、解説していきます!
なお天皇の位を後継者に譲った場合、上皇になりますが、上皇だったり天皇だったり、呼び方がコロコロ変わるとわかりにくくなるので、天皇で統一します。
【お父さんは誰? 若くして天皇になった悲劇の人】
祟徳天皇は
なぜ、こんな幼さで天皇に即位したのかというと、おじいちゃんの白河天皇が孫である祟徳天皇を利用して、退位後も権威を振るおうとしたのです。
祟徳天皇の父、鳥羽天皇は……
鳥羽天皇「畜生! 本当は俺の時代なのに、なんで親父が偉そうにしてんだよ!」
このように怒っていましたが、白河天皇の権威が強いので逆らえません。
そして祟徳天皇が22歳になった時、白河天皇が亡くなりました。
事実上実権を握っていたのは白河天皇なので、祟徳天皇はおじいちゃんの後ろ盾をなくしてしまい……
鳥羽天皇「もう十分天皇しただろ。そろそろ退位しろよ!」
祟徳天皇「ええ、でも……」
鳥羽天皇「いいから、退位しろ!」
このように、祟徳天皇は父親である鳥羽天皇によって半ば無理矢理退位させられます。そして今度は腹違いの弟の近衛天皇が2歳という幼さで即位します。
近衛天皇は幼いので、事実上実権を握っていたのは父の鳥羽天皇でした。親子で同じ事をしています。
しかし近衛天皇は17歳で崩御してしまいます。
そして、次の天皇は祟徳天皇の息子である
実権を取り戻すチャンスが祟徳天皇に巡ってきたんですね。しかし……
鳥羽天皇「祟徳天皇に実権を渡すわけないだろ!」
チャンスは鳥羽天皇によって潰され、祟徳天皇の弟である後白河天皇が即位してしまいました。
もはや、やりたい放題の鳥羽天皇ですね。さて、無茶苦茶な鳥羽天皇でしたが1156年に亡くなりました。
しかし何故か祟徳天皇は父親である鳥羽天皇の死に際の立ち会いを拒否され、更に遺体へ会う事ですら許されませんでした。
ここまで見てくれればわかりますが、死に際に会わせてもらえないほど、祟徳天皇は鳥羽天皇にものすごく嫌われていました。
なんでこんなに親子の仲が悪かったのかと言うと……
鳥羽天皇「祟徳天皇は俺の子供じゃなくて、親父の子供なんじゃねーの?」
このように思っていたからです。
つまり祟徳天皇は『本当はおじいちゃんの子供』だった“かも”しれないのですが、憶測の域を出ていないので真偽はわかりません。
現代なら女子大生でもバイト代で鑑定を依頼すれば、東○定助と吉○吉影が同一人物という結果が出せるくらい、DNA鑑定は身近なものとなりました(ジョジョネタ)。
しかし当時にDNA鑑定はありません。憶測とはいえ「実の息子ではない!」と思い込んでいた訳ですから、鳥羽天皇が息子である祟徳天皇への当たりが強かったんですね。
鳥羽天皇が様々な因縁を残して亡くなったので、後白河天皇と祟徳天皇の仲は悪くなりました。
しかも、鳥羽天皇が亡くなった後、祟徳天皇が勢いをつける事を恐れた後白河天皇は……
後白河天皇「祟徳天皇が反乱を企てている!」
というイチャモンを付けて、祟徳天皇の邸宅に軍隊をけしかけます。
こうして争いにまきこまれた祟徳天皇は挙兵せざるをえなくなり、1156年に祟徳天皇VS後白河天皇で武力衝突する保元の乱が発生します。
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