七五 ケチを貫いて神様になった!? 徳川家康~前編~

 権現といえば、修験道の神様ですが、今回お話する『東照大権現とうしょうだいごんげん』は、神様と仏様が合体して生まれた権現ではありません。

 信長、秀吉、と続いて現れるのは、やっぱりこの人! 


 そう徳川家康です。

 

 現在、江戸幕府を開き戦国時代に終止符をうった、徳川家康は東照大権現の名前で、栃木県の日光東照宮にて祭られています。


 それでは、神様になった徳川家康の偉業を見ていきましょう!



【伝説の黄色いフンドシ】

 織田信長と豊臣秀吉という、キャラの濃い二人に囲まれているので、徳川家康はあまり目立ちません。

 関ヶ原の戦いまで、名前が出てくる事はあまりありませんが、以前にもお話したように、織田&徳川の連合軍を組んで、信長と一緒に戦っていました。


 イノベーションで軍事を強化し、力で戦国の世を突き進んだ織田信長。

 

 コミュニケーションと、切り返し早さで天下を取った豊臣秀吉。


 じゃあ、家康はどのような人物だった、一言で表すなら『がまん&倹約』です。はい、すごく地味ですw


 家康がどのくらい倹約家ドケチだったかと言うと、徳川家の家訓が『一に質素、二に質素、三四がなくて、五に質素』だったと言われています。


 天下統一した後もこれは変わらず、ある日、江戸城内を家康が走り回っていました。

家臣がよく見てみると、家康が追いかけいたのは風に飛ばされたちり紙(ティッシュ)でした。

 天下人がティッシュを追いかける様子は、そうとうシュールですねw


 信長は赤いマントに、黒い甲冑という派手な格好をしていました。また大きな凱旋パレードを催したと言われています。

 秀吉は豪華絢爛な大阪城を建て、金の茶室を作りました。


 このように派手にお金を使う2人に対して家康は……

家康「黄色いフンドシをはけば、汚れも目立たないし長く使えるでしょ。だから、だから皆も黄色いフンドシをはきなさい」

家臣一同「ええ……(´・c_・`)」

 

 このようにドケチでした。


 ちなみに愛知県にある徳川美術館にて、家康が愛用していた黄色いフンドシが一時期特別展示されていました。

 まさに天下統一の象徴ともいえる『伝説の黄色いフンドシ』ですねw



【愛知県民なので赤味噌派です】

 信長と秀吉は息詰まる戦いや、奇襲や奇策など、ドラマチックな要素が多く、小説や映画のネタになりやすいです。


 一方、家康の戦法というのは、あまり積極的に自分から攻め入る事はなく、敵軍の主君が亡くなったり、戦に負けてりして弱ってきた所を攻めるという、いわば『省エネ戦法』だったのです。

 なぜ省エネ戦法なのかと言うと、相手が弱っている所を攻めるので、経費を安く済ませられるし、味方の損害も少ないのです。

 

 まさに倹約の家康らしい、戦い方といえます。


 積極的に動く信長、秀吉に比べると、家康の『省エネ戦法』は地味だから、あまり注目されないのですね。


 しかしこの戦法はデメリットもあり、それは自分から動けないという事です。

 敵勢力がいつ弱るのか、またいつ失敗するのか、というのはわかりません。

 これを、がまんして待ち、攻める時に攻めるというのが、家康のやり方です。


『がまん&倹約』の家康を表しているといえます。


 しかし、そんな慎重な家康でしたが、大敗退をした事があります。


 信長の時にも話しましたが、武田信玄に敗れた『三方ヶ原の戦い』です。


 織田&徳川の連合軍は武田軍に負け、敗走をします。

 多くの家臣が散っていく中、家康は命からがら自分の城に逃げ込むのですが、その最中あまりにもビビりすぎて、う○こを漏らしていました。


家臣「家康さん、うん○漏らしたんですか!?」

 このように家臣に笑われた家康ですが、驚きの言い訳をします


家康「こ、これはう○こじゃない! その、味噌だ。赤味噌だ!」

 愛知は赤味噌が主流なので、愛知出身の家康らしい言い訳ですね。


 しかし、この後うんこを漏らした事を認めます。

 そして家康はこの悔しい経験をバネにするため、うんこを漏らした状態の情けない自分を肖像画として残したそうです。


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