七三 猿から神へ! 異例の大出世をした豊臣秀吉~中編~

【清洲会議】

 織田家のトップ、信長が死んだので次の後継者を選んで織田家の再建をしなければいけません。

 そうして開かれたのが『清洲会議』です。清洲というのは、愛知県にある信長の出身地で、そこで行われたからこの名前が付いたんですね。


 さて、後継者の候補としては信長の次男と三男がいました。ちなみに長男はすでに死亡しています。


織田軍一同「跡継ぎは次男なの!? 三男なの!? どっちにするのー!?」

 と会議は決まらない中……


秀吉「後継者は長男の子供、三法師にしない?」

 このように秀吉が言ったのです。この時、織田軍のパワーバランスは変化していました。

 もともと織田軍家臣の中で、一番権限が強かったのは柴田勝家でした。

 しかし信長のかたきを取った秀吉に力が傾いており、発言力が勝家よりも強くなっていたのです。


 そして秀吉は新たな織田家当主となった三法師を抱いて、皆の前に現れたのです。


秀吉「上様のおなーりであるー。頭が高い! ひかえおろー!」

織田軍一同「ははー m(_ _)m」

 柴田勝家を含む織田軍の家臣達は、三法師にひれ伏したのですが、事実上秀吉に頭を下げた事になるのです。


 さて、信長の跡を継いだ三法師ですが、まだ3歳という幼さでした。


秀吉「君はまだ小さいからねー。サルおじちゃんに任せてね」

三法師「うん。わかった!」


 このように代わりに秀吉が指揮を取るようになります。

 それにかつてのトップだった、柴田勝家が不満を抱かないはずがありません。


【織田軍たちとの戦い!】


勝家「なんで、この俺様がサルに従わなければいけないんだー!」

 こうして織田軍内で内部抗争が発生し、秀吉VS勝家による『賤ヶ岳しずがたけの戦い』が発生しました。


 そして秀吉はこの戦いに勝ち、織田家を牛耳る事になっていきます。


 今度は秀吉の行いが気に入らない信長の次男、織田信雄おだのぶかつとの関係が悪くなってきました。

 そして怒った秀吉は……

秀吉「いらない信雄は、お城の外へシュート!」

信雄「ぎゃああああああ!」

  

 城から信雄を追い出したのです。もはや、やりたい放題の秀吉ですね。

 このまま覇権は秀吉に握られるのか!? と思いきや、待ったをかけた人物が現れました。


???「俺の事を忘れちゃ困るぜ!」

秀吉「ま、まさか、お前はー!」


家康「俺は徳川家康! 秀吉、お前の好きにはさせない! 信雄は俺が守る!」

 信長、秀吉とキャラが濃い2人に挟まれていたので、あまり目立ちませんが、ここで徳川家康が現れます。


???「くっくっく、秀吉さん。僕もいますよ」

秀吉「ま、まさか、お前はー!」

信雄「僕をお城から追い出した事を、後悔させてあげます!」


 そう信雄は家康と手を組んでいたのです。 


 こうして秀吉VS家康&信雄による『小牧、長久手の戦い』が起きます。



家康「サルー! 貴様は俺が倒す!」

秀吉「天下に最も近い私に歯向かうというのかね! いいだろう! その挑戦受けてたとう!」


家康「オラオラオラオラオラオラッ! オラー!」

秀吉「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ! 無駄ー!」


家康「流石、天下に一番近い男! しかし、俺は負けない! 家康パンチ!」

秀吉「ふん、やるじゃないか家康! だが、お前はここで滅びる事になる! 秀吉キック!」


 果たしてこの勝負、どちらが勝つのでしょうか!?


家康「くそ、秀吉! やるな!」

秀吉「こいつ、できる! ダメだ、家康は強すぎる!」

 

 この戦いはなかなか決着がつきません。そこで秀吉が出た次の作戦は……


秀吉「ねーねー、信雄ちゃん。お城から追い出してごめんねー。サルおじちゃんと仲直りしよ」


 そう、信雄と和睦する事でした。


信雄「な、なんなんですか? 急に」

秀吉「サルおじちゃんが間違ってたの。次の織田家の当主にしてあげるからさ。ね、お願い! 仲直りしよ」

信雄「仕方がないですね。はい、仲直り!」

 秀吉と信雄は和睦します。


家康「信雄、なんで秀吉と仲直りしてるの!? もうやめた!」

 信雄を守る為に戦っていた家康ですが、こうして秀吉と戦う理由がなくなり、引き上げました。

 こんな緩い感じではありませんが、『小牧、長久手の戦い』は、秀吉が信雄と和睦し、家康は戦う意味がなくなったので、休戦という形で終わったと思ってくれればオッケーです。


 そして、秀吉は家康を家臣にさせるために色々働きかけました。

秀吉「家康くーん、家臣になってよ」

家康「だが断るッ!」


秀吉「妹を嫁にあげるから」

妹「ふつつか者ですが、お願いします」

家康「本当に来たの!? 面倒みるけどさ、でも家臣にはならないからね!」


秀吉「じゃあ、お母さんを人質に出すから」

母「ふつつか者ですが、お願いします」

家康「また来たし! ああもう、わかった! 家臣になるから!」


争うのではなく、粘り強い秀吉の交渉に根負けして、家康は家臣になりました。

 秀吉の外交の上手さ、コミュニケーション能力の高さが伺えますね。



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