六四 謎多き女神 白山権現~前編~

謎多き女神 白山権現


【古事記には登場しない神様】

 岐阜県、石川県、福井県の3県にまたがる白山はくさんは、夏でも雪が残り、一年中山の姿が白く見える事から、『白山』という名前がつきました。

 この山も古くから霊山とされ、山岳信仰の対象となり、例の如く修験道の霊場となり有名になります。


 神道と仏教が合体して白山権現という神様が誕生します。

 現在、白山山頂の白山神社では古代から祭られていた白山姫大神しやまひめおおかみという女神を祭っています。

 また、この白山姫大神は日本神話に登場する、菊理姫神きくりひめのかみと同じ神様だと言われています。


 あと、ネタバレになるので言いたくないのですが、コ○ンと新○は同一人物で、灰○哀と綾○レイは中の人が一緒ですw


 冗談はさておき、私は以前、古事記を中心に日本神話をわかりやすくまとめてカクヨムに投稿しているのですが、この菊理姫神は登場しませんでした。

 これはわたしが面倒くさくて、はしょった訳ではなく、古事記には登場しないからです。

 逆に日本書紀には登場します。


 古事記と日本書紀は、両方とも飛鳥時代に在位していていた天武天皇の命令で作られた、日本最古の書物です。

 古事記と日本書紀は内容がほぼ一緒ですが、古事記は国内向け、日本書紀は外国向けに作られており、また書いた人も違います。

 このように製作目的と作者が違うので、内容に多少の違いが出るのです。


 さて、すこし脇道にそれてしまいましたが、菊理姫神のお話です。


 菊理姫神が登場するのは伊邪那岐神が、亡くなった伊邪那美神を黄泉の国(死者の国)へ迎えにいった時です。


 古事記ではゾンビのような姿をしたイザナミ神に驚いて、イザナギ神は逃げていき、振り切ったとされています。


しかし日本書紀では伊邪那岐神は伊邪那美神に捕まってしまい……

イザナミ神「私、一緒にいたいの! 黄泉の国に来て!」

イザナギ神「こんな所に住める訳ないだろ! 俺は帰る!」


 こんな感じで口論になってしまいました。


 そこにたまたま通りかかったのが、菊理姫神で「まあまあ、二人ともケンカはいけませんよ」と、夫婦喧嘩の仲裁に入りました。


 そして、菊理姫神がイザナミ神を説得すると、黄泉の国へと引き返したそうです。

 この事から菊理姫神は夫婦円満の神様とされていますが、菊理姫神はパッと出てきた神様で、何者なのか詳しく書かれていません。

 なので謎多き女神となっています。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る