五一 実在した人間だった! 布袋様

【常識に縛られない、自由奔放なお坊さん】

 布袋といっても某ロックミュージシャンではありませんw 

 布袋神は七福神で中で笑門来福、夫婦円満、子宝を司る神様で、主に家庭に関わる幸福を担っています。

 見た目は大きな袋を持った、太ったお坊さんのような姿をしており、太鼓腹が特徴的ですね。


 さて、布袋はロックミュージシャンではありませんが、およそ9世紀ごろ中国で実在したお坊さんで、本名は契此かいしといいます。

 布袋というのはあだ名のようなものです。

 その由来は常に大きな袋を持ち歩き、日用品や貢ぎ物を入れていたら、人々から布袋和尚と呼ばれるようになったからだと言われています。

 

 さて、布袋様はお坊さんなのにかかわらず、お寺に住むわけではなく、お家も持っていませんでした。所々を巡り歩き、眠たくなったらところかまわず寝るという、自然と共に暮らしていた一風変わったお坊さんでした。

 

 このように、楽天的で気ままな自由奔放なお坊さんだったんですね。

 ですが言い方を変えれば、ただのだらしないお坊さんで、七福神の一神に数えられるような人物とはおもえません。

 しかし、笑顔を絶やさず、老若男女問わず人々に優しく接していたので、大勢の人々から愛されていましたので、生前から人々に幸せを振り撒いていたのです。

 それだけではありません。布袋様は生前、弥勒菩薩の生まれ変わりと言われるほど、人知を超えた能力を持っていたと言われています。



【まさに伝説レジェンド!? 布袋和尚の能力】

 太っていて、愛想がよくて、呑気というだけでも十分おめでたいといえますが、それだけでは神様として祭られる事はなかったでしょう。


 布袋様は人の運命や気象変動を言い当てたる事の出来る、予言者だったと言われています。


 また、雪の中で横になっていても、布袋様の身体の上だけには雪が積もらなかった、という伝説が中国には残っています。 

 このように、布袋様は生前から神様のような能力を発揮していましたんですね。


 916年に布袋様は丘林寺で入寂にゅうじゃく(死亡する事)します(場所、時期など諸説あり)。


 生前人知を超えた能力を発揮したり、徳の高い行いによって、予言者布袋尊として弥勒菩薩と同一視され伝説的な人物となりました。



【布袋様が日本にやってきた】

 布袋様の信仰が広がっていったのは鎌倉時代で、庶民から福の神として祭られるようになります。

 またこの頃には、禅画の題材として布袋様が描かれる事が多くなりました。

 ちなみにイラスト投稿サイトpixivでの、2020年投稿ランキングの一位は『鬼滅の刃』なので、布袋は現代で言うところの竈門○治郎みたいなものですw


 こうして愛嬌があり、親しみやすさもあり、日本では布袋信仰が広がっていき、室町時代には七福神として数えられるようになったのです。

 


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