四二 大国主神の子供達 下照姫神と阿遅志貴高日子根神 前編

【下半身が輝く美しい女神】 

 いままで大国主神と関係を持った女神や、仲間を紹介してきましたが、今回からは大国主神の子供達を紹介していきます。


 まず、最初にお話するのは、下照姫神したてるひめのかみという女神と、その 兄である阿遅志貴高日子根神あぢすきたかひこねのかみという男神です。 

 この二神はオオクニヌシとタゴリヒメの間に生まれた子供達です。

 タゴリヒメはスセリビのお姉さんです。

 つまりオオクニヌシの正妻の姉との間に生まれた兄妹なので、非常に複雑な関係です。


 シタテル姫とタカヒコネが、日本神話に登場するのはオオモノヌシを祭り、オオクニヌシの国造りが終わった後です。

 高天原から地上の様子を見ていたアマテラスは、地上の明け渡しを要求するために、オオクニヌシの所に使いを送ります。


 しかしオオクニヌシに言いくるめられて帰ってきません。ミイラとりがミイラになったというのは、まさにこの事ですね。


 そこで、アマテラスは天若日子神あめわかひこのかみを地上に派遣しました。


「もし、オオクニヌシが抵抗するのなら、この弓で脅してやりなさい」

 アマテラスはアメワカヒコに、高天原の最強の弓まで装備させたのです。場合によっては武力行使も辞さないという意味なので、アマテラスの本気さが伺えます。


 アメワカヒコはオオクニヌシの所に向かいました。


 さて、オオクニヌシにとって自分の地位が危ぶまれる最大のピンチです。しかしオオクニヌシは下手に抵抗するのではなく、アメワカヒコを宮殿へ招き入れ、酒池肉林の宴でもてなす事により、相手を自分に懐柔させようとしたのです。

 

 しかし、アメワカヒコはオオクニヌシの誘惑には負けず、武力行使で出ようとした時、美しい女神が現れたのです。


 その女神こそがシタテル姫です。

 名前の通り、シタテル姫の下半身は輝いていました。それくらい美しい女神だったのです。

 彼女の美しさに一目で虜になったアメワカヒコは、弓で大国主神と戦うのではなく、股間の神剣でシタテル姫と布団の上で一戦交えたくなったのです。


 こうしてアメワカヒコとシタテル姫は夫婦になり、そのまま八年もアマテラスに連絡をしなかったのです。


 この後、アメワカヒコがどうなったかというと、第二章の高御産巣日神たかみむすびのかみの回でお話したように、自分が放った矢が返ってきて、死んでしまいます。

 まるで、自分で撃った弾丸に当たってしまった、ジョジョの奇妙な冒険に登場するホルホースみたいですね(ジョジョがわからない人はごめんなさい)


 夫の失ったシタテル姫の泣き声は、高天原まで届いたと言われています。


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