第三章 大国主神に縁がある神様

三三 縁を繋いだのは可愛いウサギさん 白兎神

 大国主神おおくにぬしのかみは日本の神様を語る上で外せない存在です。


 皇室の祖先であるニニギが天の世界から降りてくるよりも前、地上を支配していたのは、オオクニヌシでした。


 たくさんの女神を口説いたプレイボーイで、日本神話で一番のイケメン。仲間思いで、日本を人々が暮らしやすいように働いた神様と言われています。

 現代で例えるなら、浮気しまくってるけど、結果はちゃんと出すやり手ビジネスマンってところでしょうか。


 今回からは、そんなオオクニヌシと縁のある神様をみていきましょう。



【縁を結んだウサギさん】

 因幡の白兎の伝説は有名なので、皆様も知っているかもしれません。

 この伝説の主人公となる白ウサギは、白兎神はくとしんという名前で縁結びの神様として祭られています。

 何故ならオオクニヌシと妻になる女神、八上姫神やかみひめのかみの仲を取り持ったからです。


 さて、白ウサギとオオクニヌシ出会ったのは、まだオオクニヌシが大己貴神おおなむちのかみと呼ばれていた頃の話です。

 

 白ウサギはヤカミヒメのお使いでした。


 白ウサギはある日、サメを騙して海を渡ろうとします。しかしサメに嘘がバレてしまい、その腹いせに皮を剥がされてしまいました。

 白ウサギが浜辺でグッタリしていると、八十祖神やそがみというオオクニヌシの兄達がやってきます(八十というのは、沢山いるという意味です。八十祖神を現代風に例えるなら、モブキャラの集まりだと思ってください)


 助けを求めた白ウサギでしたが、相手が悪かったのか、八十祖神は嘘を教えました。


 八十祖神に騙された事により怪我が悪化し、痛みのあまりの苦しんでいるところに現れたのが後のオオクニヌシとなるオオナムチです。

 オオナムチが兄よりも後ろを歩いていたのは、パシリにされていたからで、この時はまだ、地上の支配者となる風格はまだありません。


 オオナムチは誰にでも優しいので、白ウサギに正しい怪我の治し方を教えました。


 こうして白ウサギは元気になり、オオナムチの優しさに惚れたヤカミヒメは彼と結婚する事を決めるのです。

 


【日本初のラブロマンス】

 因幡の白兎伝説は日本初のラブロマンスと呼ばれています。

 オオナムチとヤカミヒメの仲を繋いだ兎さんは、島根県の白兎神社はくとじんじゃにて、祭られています。


 先にも説明した通りご利益は縁結びですが、オオナムチのアドバイスに従い怪我を治療しているので、皮膚病治癒にもご利益があるといわれています。 


 また、縁結びのご利益と言っても「誰かいい人と巡りあいたい」という、ボンヤリしたものではありません。

「○○さんと、付き合いたい!」といった感じで、特定の人物との仲を取りもってくれると言われています。

 つまり、片想いの恋の成就に特化している神様と言えます。


 恋の病に苦しんでいる方は、是非この神社に参拝してみてください。



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