十六、邇々芸命と木花咲耶姫神 後編

【コノハノサクヤと富士山信仰】

 勝負に負けたニニギがコノハノサクヤの尻にひかれている姿を想像してしまうのは、私だけでしょうか? 

 ひ○しとみ○えの関係に似ているかもしれませんw


 ニニギは農業のご利益があるとされ、日本各地の神社で祭られています。


 さて、この解説は『面白く、楽しく、わかりやすく』がモットーです。なので、今回は面白い信仰の形式を持つコノハノサクヤの信仰を中心にお話します。


 なぜならコノハノサクヤは、日本のシンボルでもある富士山との関係が深いからです。 


 コノハノサクヤは炎の中という過酷な状況でも母子ともに健康で、出産を成し遂げているので、安産のご利益があると言われています。

 

 コノハノサクヤを祭る神社の総本宮は、富士山を御神体としている富士山本宮浅間大社ふじさんほんぐうせんげんたいしゃです。

 本宮は富士宮市街地にあるのでアクセスは便利ですが、奥宮は富士山山頂にあるので、参拝するのは少し大変そうですね。

 

 日本の象徴とも言える富士山にはどのような信仰があるのでしょうか? 


 富士山は日本の最高峰というだけでなく、古くから神様が住む霊山として信仰されていました。

 静岡県富士宮市には、縄文時代の祭場跡と思われる遺跡が見付かっているいる程です。


 さて浅間大社の始まりですが、今でこそ噴火しなくなりましたが、昔の富士山は何度も噴火を繰り返していました。

 その為、付近に大きな被害をもたらしていたのですが、荒ぶる山の神を鎮める為にコノハノサクヤを祭神とする浅間大社を建てたのが、始まりといわれています。



【コノハノサクヤとかぐや姫】

 かぐや姫といえば、誰もが知っているおとぎ話ですが、実はかぐや姫=コノハノサクヤという伝説があります。


 かぐや姫は最終的に月に帰ってしまいます。

 しかし富士山に伝わるかぐや姫伝説は、竹から出てきたかぐや姫はおじいさんとおばあさんに育てられ、美しい娘に育ちます。ここまでは、誰もが知っている展開ですね。

 しかし富士山バージョンだと、かぐや姫は最後に月に帰ってしまうのではなく……


 かぐや姫は「私は富士山に住む仙女です。山頂の宮殿に帰ります」と言って、富士山に登っていったというお話です。

 こうして浅間神社の女神コノハノサクヤと、富士山に住む美女かぐや姫が結びついたと言われれいます。


 また、『竹取物語』では、かぐや姫が月に帰る直前、地上に残された人に不老不死の薬を渡すのですが、それを富士山の山頂で焼いたとされています。

 また富士山から昇る噴煙は、不老不死の薬を焼いている煙だと言われていました。


 富士山の名前は由来は、実は不老不死から来ていて、元々『不死山ふしさん』と呼ばれていたのです。


 優美な姿で人々を魅了する富士山は、昔から人を引き付け、様々な伝説を生んでいるんですね。

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