十五、邇々芸命と木花咲耶姫神 前編

【浜辺でナンパしたされた木花咲耶姫神このはのさくやひめのかみ

 アマテラスの孫であるニニギは、今まで何度か登場してきました。

 今回、ニニギと一緒にお話するコノハノサクヤはニニギの嫁で、初代天皇である神武天皇のひいお祖母ちゃんにあたる神です。名前も綺麗ですが容姿も美しい女神です。


 ニニギが高天原から降りてきた天孫降臨てんそんこうりんの後、日向の国(現在の宮城県)の高千穂峰という山頂に日向宮という宮殿を建てました。


 地上で暮らしていたある日の事、ニニギが浜辺を歩いていると可愛い女の子を見つけました。

「君可愛いね。名前はなんていうの?」

 クレヨン○んちゃんのように、ニニギは女の子に声を掛けました。

「山の神である大山津見神おおやまつみのかみの娘の、コノハノサクヤと言います」

 女の子も最初は驚いたものの、頬を赤くして恥ずかしそうに答えました。


「コノハノサクヤ。貴女と合体したい!」

 ニニギはストレートに肉体関係を求めたした。

 ナンパされたもコノハノサクヤもまんざらでもなく、誘いにのりますが「父の承諾を得てから」と言って、ニニギにおあずけプレイをしましたw


 よほどムラムラしていたのかニニギは、すぐに従者を送り……

『娘さんと合体してもいいですか? byニニギ』

 オオヤマツミという伝言を送りました。


 コノハノサクヤの父であるオオヤマツミも、娘がアマテラスの孫に見初められたのは嬉しく思いました。

 そしてもう一人の娘、岩長姫神いわながひめのかみも差し出したのです。

 しかし、イワナガヒメはブサイクだったので、ニニギは送り返してしまったのです。


 酷い話ですがオオヤマツミから承諾を得たニニギは、念願のコノハノサクヤと合体を果たせたのです。


 性的に満足し、賢者モードに入っていたニニギの所に、今度はオオヤマツミから伝言が届きました。


『娘を両方とも差し出したのは訳があります。イワナガヒメは長寿の象徴であり、コノハノサクヤは繁栄の象徴でした。貴方様はコノハノサクヤだけを選んだので繁栄は約束されましたが、寿命は木の花のように儚いものになります byオオヤマツミ』


 それを聞いたニニギはイワナガヒメを送り返した事を後悔しましたが、後の祭りです。


 こうしてニニギとその子孫の繁栄は約束されました。

 本来、アマテラスの子孫である天皇家の寿命が普通の人間と変わらないのは、ニニギがイワナガヒメを送り返したからだと言われています。


 コノハノサクヤは一晩でニニギの子供を身ごもりますが、ニニギはそれを認めず、別の男の子供じゃないかと疑います。

 

 そもそもニニギがコノハノサクヤに求めていたのは『一夜妻ひとよづま』と言って、現代風に言うところのワンナイトラブの関係だったのです。

 ニニギの態度に怒ったコノハノサクヤは、「アマテラスの血を引いている子供だから、火の中でも無事産まれてくるはずよ!」と言ます。


「どうせお腹の中の子供は他の男の子供だ! 無事に生まれるはずがない!」

 ニニギはそう反論したましたが、コノハノサクヤは退きませんでした。

「じゃあ、無事に生まれて来たのなら、私以外の女と合体しないでください!」

 コノハノサクヤはそう言って、自分の疑いを晴らすために勝負をしかけたのです。



 コノハノサクヤは出産用の小屋である産屋に入ると、入り口を埋めて火を放ちました。

 そして炎の中でもコノハノサクヤは、元気な男の三つ子を無事に出産します。

 

 子供達は生まれた順に、火照命ほでりのみこと火須勢理命ほすせりのみこと火遠理命ほおりのみことと名付けました。

 

 一方、コノハノサクヤとの賭けに負けたニニギは、彼女以外との女性と合体する事は出来なくなったと言われています。

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