十二、その強さチート級!!! 建御雷神

【巨大ナマズと建御雷神】

 戦いの神様であるタケミカヅチが祭られている神社で最も大きな所は、茨城県の鹿島神宮かしまじんぐうです。

 そのご利益は必勝祈願です。軍神のタケミカヅチらしいご利益ですね。しかし、その本質はもっと違うものになります


 さて日本は地質学的に地震が多い場所にあります。

 現代は地震が起きる原理は科学的にわかっていますが、昔は地下にいる巨大なナマズが暴れるから地震が起きる、と信じられていました。


 さて『要』と書かれた男が岩を持って巨大なナマズの上に乗っている、古い絵を見た事がある人もいるのではないのでしょうか?

 これは『鯰絵なまずえ』と言いますが、描かれている男こそがタケミカヅチです。


 剣と雷を司る戦いの神様であると同時に、地下にいる巨大ナマズを押さえ付け、地震から人々を守っている地震避けの神様としての役割が、タケミカヅチの本質だといえます。


 タケミカヅチを祭る総本宮の鹿島神宮境内には『要石』と言われる石があります。

 見た目は普通の石より大きいくらいの石なのですが、その大部分は地中に埋まっていいて、かなり巨大なものとされています。

 この要石が地中にいる巨大ナマズの頭を押さえ付けていると言われています。


 因みに、有名な水戸黄門が要石の全貌を確かめるため掘り返したのですが、あまりにも巨大で根本まで辿り着けなかったという伝説も残っています。


 このようにタケミカヅチと地震の繋が深いという事がわかりました。


 安政2年(西暦1855年)に、「安政の大地震」が江戸の町を襲い、多くの人々が被害に遭いました。その後も余震が暫く続きました。

 そんな中、お守りとして生まれたのが、タケミカヅチが巨大ナマズを懲らしめる姿を描いた『鯰絵なまずえ』なのです。


 さて、江戸の人々はタケミカヅチが巨大ナマズを押さえ付けているのに、何故地震が起きたのか? という疑問も持ちました。しかし、地震が起きたのは神無月に当たる時期でした。

 神無月には日本の神々は島根県の出雲大社に集まると言われているので、タケミカヅチの留守を見計らって、巨大ナマズが暴れたという結論に至ったのです。

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