二、本当はキツネじゃない!? 稲荷神の本当の姿とは? 後編

【稲荷信仰の広がり】

 ウカノミタマを祭る神社の総本宮と言えば、ずらりと赤い鳥居が並んでいる千本鳥居で有名な、京都府伏見区にある伏見稲荷大社です。

 京都の観光案内によく出てくるので、千本鳥居を知っている人は多いんじゃないでしょうか?


 さて、日本一多い建物である神社の中でも、稲荷神社はかなり数を占めています。


 今回は何故、稲荷神社が、全国に普及していったのか見ていきましょう!


 あくまで一説ですが、これには四国八十八箇所や、お遍路さん、そして真言密教の開祖として有名な弘法大師(空海)が関わっています。


 空海は京都にお寺を建てる時、伏見稲荷大社のある稲荷山から木を切りました。そうしたら……

「私の敷地の木を勝手に切るなんてありえない!」

 と、空海はウカノミタマの怒りを買ってしまいました。

 空海にキレるなんて……流石、スサノオの娘ですね(^_^;)


 怒られた空海は……

「すいませんでした。お詫びに私の寺でも祭りますから……」

 と言ったかどうかはわかりませんが、空海は素直にウカノミタマに謝り、自分のお寺の守り神として祭りました。


 これがきっかけで、空海の宗派である密教が日本に広がっていくと同時に、稲荷神社も普及していったと言われています。


 コラボして、お互いに視聴者を増やしあっているYouTuberのようですねw


 さて、時代は代わって戦国から江戸時代です。

 天下を取った豊臣秀吉や、老中の田沼意次たぬまおきつぐなど、近世におけるエリート達が、ウカノミタマを信仰していました。

 この事から出世のご利益があるとされ、サムライ達の間で人気となり、各地に祭る事で稲荷神社が増えていきました。


 また江戸の庶民の間でも商売繁盛、家内安全のご利益があるとさるだけでなく、怪奇な事が起きると何かと「キツネの祟り」とされ、稲荷神社は増えていったのです。

 


【もう一神の稲荷神】

 稲荷神は俗称であり、その正体はキツネではなくウカノミタマという女神だという事がわかりました。


 さて実はもう一神、ウカノミタマと同じく、稲荷神として祭られている、茶枳尼天ダキニテンという神様がいます。

 これを人気ゲーム『Fate』で例えるなら、エミヤとギルガメッシュ、それぞれ違うサーバントを総称して、アーチャーと呼ぶようなものです。


 茶枳尼天ダキニテンはインドからやって来たヒンズー教の神様なのですが、この神様に関しては、後々、別章で『外国から来た神様』というのを書くので、そこでご紹介します。

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