第一章 天照大御神に縁がある神様

一、本当はキツネじゃない!? 稲荷神の本当の姿とは? 前編

 天照大御神あまてらすおおみかみといえば日本の最高神であり、天皇陛下の遠いご先祖様と言われている、日本の神々にとって重要な神様でもあります。


 またアマテラスを祭る伊勢神宮は、年始に内閣総理大臣が参拝するほど特別な神社です。

 このように政府の要人が参拝するので、警備は厳重で常にガードマンが巡回している特殊な神社です。


 まずは日本の最高神であるアマテラスと縁のある神様をご紹介していきますが、意外にもアマテラスとキツネで有名な稲荷神は親戚だったのです。


 稲荷神がどんな神様なのか、お話していきます!



【お稲荷さんって、どんな神様なの?】

 全国には神社が約8万社もあるといわれていますが、稲荷神社は約2万社もあります。実に神社の4分の1が稲荷神社なんですね。

 

 さて、お稲荷さんと言えば、キツネの神様という認識が一般的ですが、実は違います。

 

 お稲荷さんというは俗称のようなものであって、本名は宇迦之御魂神うかのみたまのかみと言いう女神様です。

 しかも、ヤマタノオロチを倒した事で有名な須佐之男神すさのおのかみの娘です。

 スサノオといえばアマテラスの弟です。


 つまりウカノミタマは英雄として名高いスサノオの娘で、日本の最高神の姪っ子にあたる神様なのでかなりの大物といえます。


 ウカノミタマのご利益と言えば商売繁盛ですので、会社やお店を営んでいる経営者に人気がある神様といえます。


 しかし、稲荷神の別名は保食神うけもちのかみと言って、読んで字の如く食べ物を司る神様です。

 また、稲荷という名前には『稲』という字が入っているので、稲の豊作を守る五穀豊穣の神様です。

 米を主食とする日本人にとって、とてもありがたい神様といえますね。



【キツネとの関係は?】

 稲荷神であるウカノミタマとキツネは、深い繋がりあります。

 深すぎて本当は女神なのに、お稲荷さん=キツネの神様、と勘違いされるくらい切っても切れない関係になっています。

 

 何故、稲荷神とキツネが結びつくようになったのかと言うと、キツネは田畑を荒らすネズミを食べてくれるからだと、言われています。

 こうしてキツネは稲の番人とされて、稲の豊作を守る稲荷神の使者と言われるようになりました。

 この関係を現代社会で例えるなら、稲荷神であるウカノミタマは女社長で、キツネはそこの社員と言えます。

 ちなみにお給料は油揚げで支給されると言われていますw

 


【なんで油揚げ?】

 稲荷神に奉納する物と言えば油揚げです。では何故油揚げなのでしょうか? 

 

 キツネの好物だから? 

 それとも色が似ているから? 

 

 いいえ、実はどちらも違います。


 先にも述べたように、キツネは田畑を荒らすネズミや食てくれるので、稲荷神であるウカノミタマの使いとなりました。

 そこで人々は最初、油で揚げたネズミを奉納しいたのです(ちょっと気持ち悪いですね)。

 しかし仏教の殺生はよくない、という考えが広まっていくと、なんとなくネズミに似ているという理由で、その代わりに油揚げを奉納するようになりました。

 つまり油揚げはネズミの代用品という事だったのですね。

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