012 にゃお~ん
…――私のお兄ちゃんはダメ人間で夏目(なつめ)家の恥さらし。
夏目の家が始まって以来の超々恥めな人間。
飼い猫の方が、まだ生き物としてマシだわ。
だって、お兄ちゃんは、所構わずオナラをするし、ものを食べる時にくちゃくちゃと音を立てて下品。女の私が一緒に住んでるのにマナーもなってない。トイレの蓋を閉めないなんて当たり前で、ウンコをしたあと、なぜか私を呼び出す。
その時の言いぐさが、またヤバく、すごい。
「いやな。でっかいウンコが出てよ。あまりに嬉しくなっちまって、お前にも確認して欲しくてな。どうだ? でっかくて立派なウンコだろ? 世界新かもな。アハハ」
世界新?
アハハじゃないわよ。
うら若き乙女にウンコを見せて一体どうするんだっての。
ただ、こんなダメ兄ぃでも一応は、社会人。
仕事は何をしているのかさっぱり分からない。下らないエロ小説だか、エロ記事だかを書いているのは、ちらっと見かけた事がある。多分、物書きにもなれない物書きなんだろう。でも、きっとろくなもんじゃないわ。だって、お兄ちゃんだから。
ああ、死んで欲しい。
そんなお兄ちゃんの名は漱石(そうせき)。
夏目家の恥さらし者。
そして、お兄ちゃんの口癖は人間を止めて猫になりたいのか吾輩は猫であるなの。
にゃお~んと飼い猫が大きなあくびをした。
名前は、まだ無いと言いたいかのよう……。
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