第いち話:無心に釘打ち

目が覚めて、いつも通りの動きをする。

昨日は休みだっただけで、いつもとなんら変わりない日常を過ごす。

「毎日が必ずしも同じとは限らず、昨日は昨日で明日に昨日は来ない」

そんな感じの言葉を何回も聞いてきたし、それさ確かにそうだと言うことに間違いはないとわたしは思っている。


ただ、ただ、この今を過ごしているこの自分に不満がないわけではない。

確かに満足はしているけれど、確実に満足とまではいかない。

パーフェクトを目指しているわけでもないけれど、過去の幼い自分が、今に隠れた内側のわたしが「本当にこれでいいのか」と、指を指して聞いている。


ぼーっと歩いていると、ガンガン心臓に打ち込むように、握りしめるように問いかけているそれらに、

毎日がわたしは「明日はなにかしてみよう」と言うものの、昨日も明日も「まただめだった、つぎはいつならできるのだろう」と空を見て思い、また心臓に打ち込むだろう。


やりたいことはたくさんあったのに、

やれる時間はまだあるのに。


自分らしくしているはずなのに、

これでいいはずなのに、

今の自分に釘打ちながら、

結局このままなのだろうか。


好きだったお絵描きをしていた手は、

最近じゃあちっとも動きたがらない。

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