ヒトガタウサギは何を観る
あとわと
第ぜろ話:わたしはここにいます
ゆらりゆられて、電車でイアホン。
風が今日は強い日で、
となりの学生はぐだっと薄い機械を眺めてる。
今ここにいる私も彼女ではないけれど同じようにこうしてここに刻むように書き込んでる。
ぼーっとしてたら年上夫婦が席を見る。
わたしの両端は誰もいないが、
ひとつ開けた両端の人は見えないふりをしたので、わたしもしよう。
でも、何となく席を立って手すりの端へ。
夫婦はそこに座れたけど、わたしは立ったままになった。
座りたいけどどうせ次だ。
このまま私は次で降りる。
降りる駅の名前がイアホン越しに聞こえる。
降りて、あ、待ち合わせの友人がいたから、わたしはイアホンを外した。
「おはよう」
道路に映る私の影。
わたしはここにいます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます