第4話 全てが吹っ飛んだ後・・・・
本当は『何も無い』けど、『全てただ、在る』の世界を思い出してしまった・・・
『私は居ない』
そう・・・・本当に誰もいない・・・・
そして、世界は完璧で、それ自体が私であった事
一瞬にして、あらゆることを理解してしまった
この世界はそれが真実だったことを体感し、理解してしまった後、
1ヶ月は体が膨張したようになっていた。
自分が体の中にいる感覚ではなくて、
外側の空気の方に自分がある感覚が続いていた。
そして、感情の方は、無反応のような、反応が薄い、
あまり、大きく感情が動かない、そんなことが多くなっていた。
けど、些細な事が面白く、楽しい感覚だった。
普段良く見る景色を、
例えば木々が風にゆらゆら揺れているのを見てえらく美しく感じ、
小さな草花が咲いているのを見ると花びらの一枚一枚の美しさに魅入っていた。
身の回りの小さなことに美しさや喜びを感じていて
そのうち、以前だったら、対して笑うポイントでもないところが
やけに面白く感じて、よく笑っていた。
それこそ、箸が転がっても面白いぐらいだった。
もしかしたら・・・・・生まれたての赤ちゃんみたいだったんだろうか・・・
今になってそう思う。
最近になって知ったのだけれども、
本当の世界を思い出した人々は、人により、虚無感に襲われて自殺してしまったり、
元の世界とのギャップが多すぎて、山にこもってしまったり、出家してしまったり方々も多かったそうです。
『アハ体験』をしてしまうと見え方が換わってしまう
今までの世界とのギャップ・・・・
エゴ(自我)を飼いならす、エゴを手なずける作業・・・・
それを、『悟後の修行』と呼ぶのだそう。
その頃の私は、そのような事は知らずに今までと違う毎日を過ごしていた。
そして、膨張した自分が段々と自分の体に収縮して戻ってきて
それはまるで、顕微鏡で小さなものを見る感覚のようだった。
生きる目標も生きる方向も全部無くなって、自分がやった事が、
もっと、『自分をしる』こと
になっていった。
スピ好きがある日突然悟りまして・・・・ サリィ @hasehase
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