第55話、日本人は横柄で鼻持ちならないやつだって…
本日2話目です
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インドからの要望でトラとチーター。
ここでまた、ゴールデンタピータイガー2頭に遭遇した。
第6世界にはもったいないので、スキルをセットしビビに預けた。
日本からパンダとニホンオオカミの依頼があったのだが、パンダの要望は朝鮮半島だった。
どういうことかというと、大東亜戦争で日本はハワイを攻めなかった。
あくまでも、大東亜共栄圏を取り戻すという大義名分が成立していたのだ。
第二次世界大戦は存在していなかった。
このため、マレーシアやインドネシアは既に独立しているが、サイパン・フィリピン・グアム・台湾・朝鮮半島は日本の統治下にあった。
こんな面白いことになっていたとは知らなかった。
朝鮮半島とフィリピンは、独立の準備を進めているが、サイパン、グアム、台湾は日本であることを望んでいる。
ソ連は民主化を進めておらず、ドイツは東西に分かれたままなのだ。
したがって、冷戦は続いており、日本は仲介役として両国との調整を進めている。
当然、北方4島は日本の領土であり、国内に米軍など存在していない。
中国を欧米諸国の侵略から解放したのは日本であり、中国に対しても圧倒的発言権を持っている。
今回のパンダの依頼は、実際には朝鮮からであり、日本はニホンオオカミだけであった。
このような背景があるせいか、日本人は居丈高な言動が目立った。
アジア全体を見下しているような感じだ。
そういえば、どの国の動物園に行っても、俺が日本人だと分かると嫌そうな顔をする。
これは複雑な心境と言わざるを得ない。
したがって、第6世界では日本は軍隊を持ち、原爆も保有している。
原爆は実験だけで使われたことがないのだ。
スタッフのリーダーであるハリスさんも、日本が交渉しづらいと言っている。
まあ、こんな島国が、大国と対等にわたりあっているのだから、多少傲慢になるのも分からなくはないが…
さあ、とっとと終わらせて次にいこうよ。
オランウータンやチーターを捕まえて動物園に運ぶ。
チーターは壊滅的みたいで、各国から要望がでているらしい。
対処が遅れるたのか、習性に気が付かなかったのか…
ちなみに、チーターは人間のそばにいると発情しないらしい。
というか、オスの呼びかけがないと発情しないんだとか。
まあ、ともかくたくさん捕まえて運んでやる。
ハリスさんと相談して、ここは開けたままでもいいから、次を開けようと提案した。
ところが、どうやら向こうの日本が渋っているらしい。
第一世界と比較すると圧倒的優位な立場にあるこの状況を楽しみたいらしい。
俺は半ば強引に引き上げさせて、ホールを閉じてしまった。
さあ、第7世界だ!
第7世界は生物のいない世界だった。
呼吸可能な大気がないため見送りだ。
とんでもない確率で、生物が生まれてこなければ、地球はこういう世界なのだ。
大気がなければ、隕石は燃え尽きずに地表に落ちる。
月のようにボコボコなのだ。
第8世界は草原だった。
ただ、遠くに集落が見える。
面白そうだ。
例によって軍部がキャンプを作り、周辺の探索を始める。
集落はアメリカ原住民だった。
カナダを超えてモンゴロイドが北アメリカに進出したのが、15000年前となる。
コロンブスがアメリカ大陸を発見したのが1492年のことで、それ以前の分岐だろうと想像できる。
あとは細かい調査だ。
アメリカ原住民は、石器時代の文化を擁していた。
基本的に生活に用いるものはマヤ文明と同様に土器・石器で、狩猟により生活を維持していた。
この部落は19軒の小規模なもので、他との交流がないため捜索範囲を広げる必要がある。
「北米にモンゴロイドが存在して、スペイン人が入っていないということは、マヤ文明やアステカ文明が残っている可能性があるということか」
「少なくとも、この付近には到達していないようですね。初期の植民地は、イギリスがニューイングランドで、フランスがカナダ。スペインがカリブ諸島でしたよね」
「ああ、そのとおりだ」
「どうしましょうか。メソアメリカを調べるか、東海岸を調べるか、先に全体像をつかんでおくか」
「全体をまず把握しておこう。特に、スペインが到達しているかどうかによって、アメリカの文明は大きな打撃を受ける。
逆に、スペインが入っていなければ、ひょっとしたらマヤやアステカ、ペルーの文化が残っているかもしれん」
翌朝、チーム全員で西海岸沿いに南下していく。
「おお!マヤの文明が続いているようだぞ」
「向こうはアステカですね」
「降りてスペインの痕跡があるか聞いてきますよ」
「ここは何という都市ですか?」
「 メーシッカッの都市だ」
「スペインという民族を知っていますか」
「聞いたこともない」
「ありがとう」
「 メーシッカッの都市だそうです。
スペインというのは聞いたことがないと」
「メシカはアステカを構成したナワ族の一つだ。
入植前のアステカ文明が存在している」
「ペルーも見ておきましょう」
「ああ、インカ帝国だ…」
「人がいますね」
「ここにもスペインは到達していないようだ。
よし、東海岸の様子を見ておこう」
「結果からいうと、ニューイングランドにイギリス人が到達しているが、まだ小規模の入植だ。
少なくとも、国内に入るのは少し待ってもらうよう交渉しよう」
「素直に聞いてくれますかね」
「なに、ここは我々の国アメリカだ。
内部へ入るのは待ってくれというだけだ。
嘘は言ってない」
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