幕間1 来訪者の手記
私はコウ。現実世界の住人だ。今日は、異界であるこの『インフィニティ・ロード』という世界に来ている。私は現世から魔王としてこの世界に来た。
この世界の魔王による『異界と繋ごう!魔王軍交流プロジェクト』等という物で交流を図る事になり、今は魔王城の前にいる。これから魔王城に入って魔王に会おうと思う。
☆ ★ ☆
魔王城に入ってみたが、モンスターが1匹も居ない。私は使者だというのに、歓迎の姿勢は全く無い。この世界の常識はどうなっているのだ。
とりあえず、案内された部屋に向かってみようと思う。魔王に会ったら文句を言いまくってやろう、多少の過小評価を含めてな。ああ、しかし綺麗な城だ。この城は新築だと聞くが、中々に手入れが行き届いている。古き城より大分マシだ。
☆ ★ ☆
案内された個人部屋に入ってみたが、メイドの1人も来ない。本当にどうなっているのだ、この城は。今すぐ交流をやめて帰っても良いというのに...。
これから魔王の部屋に向かい、謁見して来ようと思う。会ってすぐに文句を垂れ流してやる。ここまで常識が無い連中なら、我々が関わる必要も無いだろう。
今回を持って関わりを絶たせて貰おう。
☆ ★ ☆
魔王の部屋には、魔王が居なかった。本当にふざけている。私は1人で憤慨してしまった。この城、いやこの機関はふざけている。魔王が留守とはどういう事だ⁉︎...少し心配になってきた。もしこれが魔王の故意によって行われた物では無いというのなら、どうしたものか。とりあえず、城内を探し回ってみよう。
☆ ★ ☆
一大事だ。城内に1匹もモンスターが居ない。何か大きな事件があったに違い無い。これは大変な事だ。よく見たら生活の様子も残っている。つい先程までそこに存在していたかの様だ。生温い紅茶や冷めた料理が置いてある。私はこの魔王城がどうしてこうなったかを探るため、城の外で情報を集める事にした。来た時は直接転移したので、外がどうなっているかは分からないのだ。
☆ ★ ☆
魔王城の外は魔界だ。魔界には多くのモンスターが生息している...ハズだ。1匹も遭遇せず、なんの声もしない。自然の音だけが木霊している。全く生物が存在していない。本当に、どうなっているのか...。まさか、世界が変動するほど大きな出来事があったのだと予想できる。とりあえず、この情報は現世に持ち帰って共有するとしよう。私はこの世界を後にする。
この世界に来る事は、もうほとんど無いだろう。しかし、この事件は永遠に語り継がれるだろう。
魔王軍外交幹部 コウ・マクロス
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