第3部【伊達ワル決戦】
異世界で快進撃を続ける伊達ワル……獅子原は魔王城までたどり着いたが、突如出現したト〇ホに崖下へ突き落とされてしまう。幸い着地時に前転したために大事には至らなかったが断崖を登らなければいけなくなった。
「流石の俺もこの調子じゃ途方に暮れるぜ……」
肩を落とす獅子原は馬鹿正直に崖を登ろうとした瞬間、あるものを見つけた。
「これは……一体……」
それは少年探偵団シリーズとかに出てくる一人乗り専用のヘリコプターだった。
獅子原はこれ幸いと乗り込みヘリコプターを動かした! 伊達ワルにはこの手の運転はお手の物である! 爆速で崖下から伊達ワルは奇跡の脱出を果たしたのだ!
脱出に成功した獅子原は自分の至らなさを痛感し、山奥で三日三晩木人と座禅を組み、組手を行った。
「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」
厳粛なるアトモスフィア漂う修業所に獅子原のカラテシャウトが響き渡る!
「山奥に響き渡る伊達ワルなカラテシャウトは一体!」
「きっと精神を鍛えなおすためにがむしゃらに木人相手にカラテをしているのでしょう……」
「見上げた伊達ワルだ!!」
と、修業所周辺の村人からは感心されていた!
こうして修業を終えた獅子原は一皮むけた表情になっていた。漂う伊達ワルオーラもより鋭い物になっていた。
再び魔王城に向かう決意を固めて獅子原は疾走し始めた!
邪悪の牙城、魔王城!
火矢の如く疾走する獅子原は一息に魔王城の門を破り入城した! その速度は門番オーガが鎧袖一触するほどの速度であったとのちの記録には伝えられるほどだった。そのまま獅子原は魔王城を攻略し始めた!
ゴブリン兵どもを蹴散らし、マグマを飛び越え、土管を潜り抜けていく獅子原の姿に魔王軍の兵は大混乱に陥った!
「伊達ワルのレベルを超えた伊達ワルだ!」
「伊達ワルは一度食らった技は通用しないのか!」
「まるで一直線に飛ぶ血の矢のようだぜ!」
「ジャーン!ジャーン!ジャーン! げぇ、伊達ワル!」
獅子原は力強い伊達ワルぶりを見せつけた!
どんどん突き進んでいく獅子原、その前に魔王軍のゴーレムが現れる!
「おーっと」「ギガトンパンチ!」「ギャアー!」
山奥の修行所で自分自身を鍛えなおした獅子原の敵ではなかった!
勢いよく魔王城のフロアを突破していく!
「よく来たな伊達ワル戦士よ」
「だがお前の快進撃もここまでだ」
「われら魔王軍四天王がお前を倒すから」
「だ」
「四対一とは卑怯だぞ!」
「ククク……」
「最終的に勝利すれば」
「問題ないだろ」
「う……」
とてつもないアウェーに立たされた獅子原! 彼の伊達ワル魔王城攻略もここまでなのか!
「ほう……伊達ワル忍者をお忘れかな?」
どこからともなく何者かの声が聞こえた!
「誰だ!」
「貴様は!」
「早く出てこ」
「い!」
パリーン! ガラスを突き破り黒ずくめの男が現れた!
「神出鬼没にエントリーする伊達ワルは伊賀忍者なり!」
魔王軍四天王は驚愕した!
「ここは伊達ワル忍者に任せて先へ進むがいい!」
獅子原は走り去り次のフロアに向かった!
「伊賀忍法、分身の術!」
背後では、伊達ワル忍者と魔王軍四天王の決戦が始まっていた!
伊達ワル忍者の助けを借りて、フロアからフロアに突き進んでいく伊達ワル戦士、獅子原だったがついに荘厳なアトモスフィア漂う扉の前に立った。扉の向こうには魔王がいる!
「たのもう!」
ドキャーン! 扉を蹴やぶり魔王の間にエントリーした獅子原! そこには強大な闇のオーラを漂わせる只者ではない魔王がそこにいた!
「伊達ワル戦士よ! よくここまで来たな、素直に誉めてやろう!だが、お前はここで終わりだ! なぜならワシにやられるからだ!」
「真の伊達ワルとして魔王軍の悪事をくじくためにここまでやってきた! 真の伊達ワルとしてお前を倒す!」
周囲の空気が緊迫感に包まれる
「いくぞ! ウオーッ!」
「かかってくるがよい! ウオーッ!」
獅子原の闘気と魔王の闘気がせめぎあい男の拳(men's knacle)がぶつかり合う!
ピガガーッ!
◆intermisson◆ただ今獅子原と魔王の闘気の激しい衝突により画像が乱れております。復旧にはしばらくかかりますがどうかごあんしんください。◆intermisson◆
ピポッ!
魔王の間は激しい土煙に覆われていた。その風景が何よりも獅子原と魔王の激しい戦闘を物語っている。
「魔王、確かにお前は強かった。しかし間違った強さだった……」
「そうだったのか……ワシの強さは間違った強さだったのか……」
「俺と魔王の勝敗を分けたのはただ一つ、それは心の強さだ」
「ワシの心は弱かったのか……よかろう……お前が真の伊達ワルだ……」
獅子原は魔王に勝利した……
「さて帰るか……」
どこからともなくファンファーレが流れ出した。
再び王城!
「伊達ワル戦士獅子原よ……よくぞ魔王軍を懲らしめた……ここに感謝状を贈呈する」
真の伊達ワルこと獅子原は流れるようなマナーで感謝状を受け取った。
「流石だな伊達ワル戦士は……マナー百般にも通じるとは」
「伊達ワルオーラが戦いの中で研ぎ澄まされている!さぞ激闘であったことだろう……」
「ワシも生まれ変わったら伊達ワルになりたいのう」
参列している王城の住民も歓喜に満ちている。
「伊達ワル戦士様はこれからどうするのですか……」
獅子原に尋ねる王城関係者……
「俺にもわからん。風の吹くままさ……」
獅子原はそう言って笑った。ここでスタッフロールが流れる。
【劇終】
俺のスキル【伊達ワル】がもっと輝けと囁いてる 夏川冬道 @orangesodafloat
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます