第104話 コスプレ姉妹ですが、何か?

「じゃーん!」


 と言うわけで、覚悟を決めて早速着てみた。

 サイズはピッタシ、純粋な黒色のみバニーだ。

 胸の谷間が強調され、巨乳が更にバエるというか、溢れ落ちそうな迫力がある。

 実際、カップだけで支えているので見えそうで見えない焦れったさが強い。

 そしてジャケットや燕尾服も無いので、相当、腋や腰へのラインに自信がないと着れない一品だ。

 私?

 当然、私の体に一片の抜かりなし。

 とはいえ、ソファーに座ったままのしどー君や、口を開けたままで見続けられるのは慣れないわけでしてね?


「なにか言いなさいよ……私ばかり張り切ってるみたいでバカみたいじゃない?」

「ああ……すまない。

 スゴいな……初音、うん。

 何というか、スゴいとしか感想が湧かない」


 それだけの言葉だが、


「えへっ」


 私を笑みにさせるには十分だ。

 着た甲斐がある。

 ワイヤーボーンが入っているため、姿勢や体型が良くなって私の魅力が増大される。

 ウェストとのクビレがくっきり出るのだ。

 鬼に金棒、初音にバニーだ。


「しどー君、胸ばかりみてるでしょ?

 蝶ネクタイから下の辺りにずっと目線が……すけべめがねー」

「ぐっ」

「うりうり。

 隙間に挿れたら気持ち良さそうでしょ?

 マシュマロみたいでしょ?」


 胸を両側から腕で挟んで更に強調して、立ったまま、前屈みでしどー君に迫る。

 Gカップの圧倒的ボリュームにゴクリと、しどー君の喉が鳴るのが見えた。

 くくく、最初はどうかと思ったが、ナイス叔父さんチョイスである。

 ママへの通報は許しといてあげよう。


「それともこっちがいいのかなぁ?

 突き崩すのは。

 タイツ破いてずらしてから……ふふ」


 意地悪い笑みを浮かべながら、上半身を起きあげる。その代わりに、左右の太ももつけねにカフスをつけた手を当てて真ん中の丘を強調する。

 胸からお腹のラインに下るしどー君の目線が気持ちいい。

 

「あるいはタイツを楽しみながら、足でもいいわよ?」


 片足をあげて、自慢のラインを見せつける。


「それはどうかと思うが、試すのはありか……」

「流石に冗談よ」


 しどー君が、足コキされるのとか見たくない。


「さておき、こんな美少女侍らせるなんて贅沢者メ」


 と、隣に座りながらしなだれかける。

 おっぱいがよく見えるポジションだ。


「うさみみだぞー?」

「似合ってる」


 言えば、ポンっと手が頭の上におかれて返される。

 そして、なでなで。


「……不意打ち……♡」


 頬が緩んでしまい、体を脱力し、彼の胸元にポフッと頭をよたれかかる。

 そのまま頭が誘われるように、ふとももへ。

 膝枕だ。

 そして、彼は楽しそうに私の髪をもてあそぶ。


「バニーガールって、元々、兎のマークの男性ブランドのクラブで考案されたのよね」

「ほう?」

「ブランド名からして、和訳が色男。

 兎のいつでも発情してますよ、ウェルカムってイメージで作られたようね」

「初音にぴったしだな」


 言われ、ムッとする。

 確かにエッチ好きだし、して欲しいわけだが燦ちゃんみたいな色欲魔ではない。


「兎って構わないと死んでしまうからな。

 初音も、自分からは来ることは少ないけど寂しがり屋だし」

「……ふん、慎ましいの。

 燦ちゃんみたいに、犬はなれないの」

「だから、よく観てないとな。

 拗ねられても困る」


 く、ツンツンしたら砂糖のように甘い台詞で返してくれたので悪い気分ではなくなる。


「最近は逆バニーなるモノも流行りよね」

「なんだそれ」

「こんなのよ」


 ソファー机の上から携帯をとり、見せる。


「意味無いだろ、さすがに」


 そうしどー君が感想を述べるのも無理はない。

 先ず、胸元が隠れていない。

 申し訳程度にニップルがあったり、無いものも普通に検索に出てくる。

 次に下の面積が辛うじて見えない程度で、紐すらない。Cクリップで張り付いている感じだ。

 と、思えば、腋から背中、腕は服で隠れている。


「服として用途を成していないぞ……」


 激しく同感だ。

 しかしだね、


「ある意味、目的は達してるのよね……」

「?」

「非日常感あるでしょ?

 それに性的アピール部分が全開だから、男誘うには有りかなと……」


 悩むしどー君。


「……ある程度、恥じらいは欲しい。

 僕個人としては。

 確かに、する時は全裸でもいいが、最初からは脱がす楽しみも無い」

「うん、やっぱりスケベメガネになったよね?」


 ニシシと意地悪く笑みを浮かべてやると、


「初音色に染められたからな」


 恥ずかしい事を普通に返してくるマジメガネである。

 これだから、いやこれもあって私はこの人が好きなのだ。


「……で、燦ちゃん。

 さっきからそこの柱で何してるの?」


 イチャイチャし始めると多分、インターセプトしてくる妹に目線を向ける。

 羨ましいなら、さっさと入ってくればいいのに……。


「ぅう、コスプレなんて初めてだからだよ……」

「あんた、首輪の方が恥ずかしいんだからね、普通は……。

 とりあえず、来なさい」


 私が手を掴んで連れてきて、しどー君の前に立たせる。

 メガネのままであるが、まぁ、よし。


「じゃん!

 子犬ちゃんじゃよ!」

「……(もじもじ)」

「燦ちゃん、ほら前をタオルで隠さない。

 堂々としてた方が恥ずかしくないわよ?」


 私に言われてようやく、パサッとタオルを手放す。


「どうよ、しどー君」

「……良いと思う。

 何というかだな、一見、上下のビキニの組み合わせかと思ったが……」


 確かに、遠目で観れば上下の水着だ。

 とはいえ、違う。


「フサフサな材質で差別化しつつ、耳カチューシャや尻尾のアクセサリーが何とも背徳感というか、非日常感を煽ってくる。

 後下からはみ出している胸が凄いエッチだ。

 あと、首輪が良く合う」


 饒舌なエロメガネである。


「それとな?

 モジモジされるとイケナイことしてる気分になるから堂々としてくれ」

「まぁ、イケナイことしてるんだけどね?

 性的にはイケナイではなく、イカスための服装だけどね、ハハ」


 私のビッチジョークにしどー君が飽きれる目線を向けてくる。

 とはいえ、そう言われたら燦ちゃんも悪い気がしないのか、えへへ、と笑みを浮かべてリラックスする。


「やはり、比べると燦の方が肉付きが良いな……。

 全体的に」


 しかし、その言葉に会心の一撃を受けて床に倒れ伏す妹。

 自己研鑽が足りないだけだから、フォローはしないが。

 とはいえ、


「燦ちゃん、ブラジャーのカップ数、変えたら?

 叔父さんが送ってきたそれがいつものより一つ大きくてHカップ。

 丁度でしょ?」

「うん……」


 巨乳というか、爆乳の域である。

 ここまでくると流石に男性の中にも拒否感が出てくる人が出てくるサイズだ。

 しどー君は大きなのが好きで問題ないのだが。


「おいで?」


 ポンポンと膝の上を叩いて、しどー君が燦ちゃんを手招きする。

 燦ちゃんが私を観て、


「観てたでしょ?

 私もやって貰ってたから気にしなくていいわよ」

「うん……♡」


 っと、しどー君にリードを手渡して膝枕される。

 髪の毛をかれると子犬のように安心して、身体を委ねている。

 何というか、やはり私の妹は犬っぽいと改めて感じた。


「燦ちゃん……っ!」


 但し、彼の頬っぺたを舐め始めたのは許されない行為だ。

 当然、私もと参戦するのだった。

 


ーーー

l´・ω・`)次R15予定、気をつけてください。

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