彼女ですが、なにか?
第14話 彼氏ですが、なにか?
「マジメガネと付き合うことにしたわ」
と、クラスに三日ぶりに行き話した。
流石に二人とも同時に謹慎食らったら関係がバレるので先手を打った。
まぁ、許嫁宣言した委員長が居たので、彼氏宣言ぐらいはやりやすかったのは正直ある。
「「「「ええええええ」」」」
取り巻き女生徒の中に叫びが起こる。
「ちなみに最近、彼にオシャレを教えたのも私。
素材が良かったから教えがいがあったわ、色々」
「色々……ぇっと、あっちの方もしたの」
「うん、したわよ」
「「「「ええええええ」」」」
「結構デカくて痛かったんだけどねー」
しどー君に周りの目線が良く。
下半身に。
「?」
それを受けてしどー君が不思議そうな顔を浮かべてくる。
ちょっとこいやと、手招き。
「はい、うちの彼氏」
「ちょっと待て、どういう話をしていたんだ。
何だか、皆の視線が下に向いてた気がするんだけど」
流石に気付くか。
「ぇっと、しどー君のが大きいって話」
「……ぁ。
ちょっと待て、何でそんな話をだな」
「女子高生にも性欲は有るんですー、
猥談は人生のサプリメントなのよ!」
「そういうものなのか……」
いつも通り、素直に頷いてくれるマジメガネである。
眼鏡はしてないが。
「まぁ、こんな感じで素直だし、実は金持ちだし、素材いいし、男気あるし、優良物件だったわけよ。
そんな彼を源氏物語もとい、彼氏化するのは楽しかったわよ!
夜もすごいし!」
「初音!」
「おこったー!」
顔を真っ赤にするしどー君。
と彼氏自慢しつつ、彼氏弄りは楽しいのだ。
「え、ちょっとまて色んな自慢があったけど、全部ホント?」
「そうよ、お父さんお医者さんだってさー
ね、しどー君?」
「確かに外科医だが……」
「うらやまー」
「暴漢に襲われた所を助けてくれたのはカッコよかったし!
まぁ、堅物は直ってないから私以外にはムリだと思うけどねー」
「「「「はいはい、のろけのろけ」」」」
夏も暑いのにと、言われた気がした。
学校も終わり、帰宅する。
いつものしどー家だ。
「ありがとね、さっきは。
彼氏居る居ないもマウント要素の一つだから」
「良く判らんが、役に立てたのならうれしい」
そう嬉しそうに笑ってくれる、
彼のそんな姿を観ると私も嬉しくなる。
「彼氏がどんなステータスとか、色々あるのよ。
しどー君は十分に良いステータスで助かるわ。
カッコとかは私がフォローできるし」
「それ、ステータスが良かったから好きって言ってないか?」
おっと、珍しく私につっかかってきた。
笑いながらなので、冗談なのも判るがこれまた珍しい。
だったら言ってやる。
「私はそんなも無くても、しどー君のことが好きよ?」
赤面する彼。
私に勝とうなんざ百万光年早いのだ。
「さて、掃除して、風呂沸かして、ご飯作るから、勉強でもしてて」
謹慎開けるまで溜まっていることもある。
いや、昨日解放したので精神的には溜まってないのだが。
「ちょっと出かけてくる」
「ん?
了解ー」
と、珍しく出かけた。
帰ってくると何か箱を抱えていた。
「なにそれ?」
「ケーキだ。
彼氏彼女になった記念を祝ってなかったからな」
「私を嬉しがらせてどーするきだー!」
照れ隠しに叫んでいた。
「イヤ何も?
何かの雑誌で記念日を作っていけと書かれてたから」
「……!」
照れもせず、当然のように言ってくれているので、こいつと思う。
下心の欠片もない。
悔しくなったので、襲い掛かった。
「ちょ、おま、晩御飯を!」
「襲いたくなった、しどー君が悪い!
ビッチにこんなことをするとこうなることを思い知るがいい!」
暑い夏が始まろうとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます