第4話

外壁は黒く輝いている王都にある黒竜城。

王都は賑やかで色々なお店や大道芸をやる人達で溢れかえっていた。

思っていたよりも栄えていて 人々も楽しそうに生活している。

統治者としては悪くないのかしらと見ていると不意に声をかけられる。

「お嬢ちゃん 串焼きはどうだい?うちのは美味いぞぉー いまなら焼きたてを銅貨5枚だ」

香ばしい匂いにそう言えば小腹が減ったなぁと 今日は朝昼かねたブランチだったから物足りなかったし・・買い食いというものもしてみたい!

「いい男に言われたら断りにくいなぁ それじゃ一本貰うわー」

きゃははと言いながら財布から銅貨を出すとその店の主人は笑いながら串焼きと芋にバターを乗せたものをほらよと渡してくれる。

「べっぴんに褒められちゃおじさんは弱いんだよ

おまけだよ また買いにきてくれな」

おまけを貰うとにっこりと笑う。そして片目を閉じてウィンクする。

「ありがとう。ご馳走さま」

二つを受け取ると河のほとりに行って黒く光るお城とそれを守る門番を遠巻きに見つつ買ってきた串焼きをかじりはじめる。

「さぁーて どうやって入り込もうかなぁ」 

忍びこむだけなら簡単だかそれだと意味が無い。

正面突破をするにはどうしようかなぁと思いながら

串焼きと芋というさっき買った物を食べ切ってついでに買ったフルーツジュースも全部飲み干す。

「これ 使うしかないかな」

胸から一通の手紙と緑色の石と綺麗な装飾のしてあるペンを出す。

人に触らせたくはないけど仕方ないかと思いながら 割れたりどこかで失くされない様に付与の魔法をかける。

「いざ 敵陣へ」 

ゴミをゴミ箱に捨てると決意を新たにして門へと足を運ぶのだった。


門の前に行くとガシャんと両端の兵士が槍を交差させて門を守り始める。

「何者だ!許可の無いものが近づいてよい場所ではない!即刻立ち去れ」

「すみません 手紙を渡してくれって頼まれて・・

そして返事を貰ってこいと・・」

そう言って胸から手紙とペンを出すとその兵士は

微動だにせずに言う。

「意見書や個人への手紙は裏門だ 順番があるので

返事は帰ってくるかは確約できん」 

「それじゃ困るのです。ランティス・イリューザー

様に御本人に渡すように言われてるんです」

それを聞くと二人はげっとした顔をしてお互いの顔を見合わせる。

腕はたつが女性の数は数えきれずという将軍だ。

この年から見て隠し子か?と言わんばかりそこにいる少女をみる。

もし隠し子だったらと思いながらも間者やただの憧れできた者だったらただではすまない。

「お嬢さん その手紙を見せて貰っていいか?内容を見てお伝えするか決める」

「これ 御本人でないと開かないのです。死んだ母が封緘に魔法をかけておりますので あっこれを見たらわかって貰えるかも」

そう言って緑の宝石が埋め込まれだペンを差し出しそうとしていると後ろから気配がしはじめる。

そこにいたのは初老とは思えないほどのしゃっきりとした男性だった。

「貴様らなにをしておる 門番が門を守らず遊んでいてどうする」  

「閣下っっ あ いえあのこの者がランティス様に

魔法の手紙とやら持って参りました故話をですね」

一人があわあわとしながらそう説明するとその老人は眉間にシワを寄せながらその手紙をみると封緘をみて顔色を変え それを持ってきたという相手をみて目を見ひらく。

「この手紙は貴女が持って・・」 

「ええ 手紙とこれをランティス・イリューザー様に渡して返事を貰ってくるようにって養親が」

全部言い終わる前にあわあわとしている門番二人にに大きな声を出す。

「門を開けよ!!このお方様を中へ」

「へ?で・・ですが閣下この様な町娘を中に入れたりなどしては・・」

「無礼者がっ失礼いたしました。中へとお入り下さいませ・・」

速く開けよと言われて二人が門を開けるとさっきの少女は優雅に中にへと入ってくる。

「ランティス・イリューザーはこの爺めがすぐ連れて参ります故 私の執務室でお待ちいただけますでしょうか?」

深く頭を下げると返事がくるのを待ち始める。

「ありがとうございます。ではよろしくお願いしますね」

にっこりと笑って答えるとこちらです。と言いながら案内をはじめる。

その様子をみて門番 二人はあっけに取られる。

鬼宰相と言われているゼフェルの深い礼にあのような態度など国王であるディアウォードにですら公式の時しかしない。

それが今日 初めて会ったばかりの町娘に最大の礼を尽くしているのだ。

二人はやっぱり隠し子だったのか?だが将軍の隠し子にあんな事する方じゃないだろうなどとさっきあった事を推測で話はじめるのだった。


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