〜ワケワケ〜
………………
……………………………………………………………………
……そう言えばさ、この前ね、あのー…後輩の子とご飯行ったのよ』
「はいはい」
『でさー…駅前のビルに服を買いに行ったついでに行ったんだけど…』
「うん」
『あのビルの上のさ…ちょっと洒落たイタリアンあるじゃない?あのところ行ったのね』
「あーあそこね、たしかにお洒落な感じだね」
『入ったらさ、まぁ席まで案内されるわけよ。それでメニューを見るんだけど、ちょっとお高いというか…でも、飛び抜けて高いわけではなくて…いつものファミレスとかと比べると…みたいな』
「なるほどね」
『そしたら一緒に来てた後輩がなんか緊張しちゃったみたいでさ「こんな買物袋を持ったままでよかったんですかね!?」みたいなことを小声で言ってきて』
「あら(笑)可愛いじゃない」
『もうさ、ショッピング系のビルの上にあるんだからさ、いいに決まってるのよ。それにそんなに高いわけでもないしね』
「まぁまぁ」
『でね、すっごくその子がメニュー悩んでて、「すいません、一回お手洗い行ってから考えます」って言い出してね、席を立ったのよ』
「真剣だね(笑)」
『ほんとに(笑)お腹空いてるから早く食べたいのに、ずっと悩んでるのよ(笑)』
「まぁいいじゃない(笑)」
『なんか私も変な感じになっちゃって、ソワソワしててさ』
「緊張がうつっちゃう的なね」
『そうそう、それで後輩を待ってたら2人組が来て…隣のテーブルに座ったのよね』
「はいはい」
『なんかね…20代後半くらいなのかな?こう…若いんだけど大人っぽい…というか、まぁ落ち着いた雰囲気がある2人組が来て』
「男女?」
『そうそう、多分カップルかな?結婚してるかまではちょっとわからなかったんだけど…』
「うん」
『でさ…2人で真剣にメニュー選んでるのよ…こう…淡々とね』
「はい」
『そしてら「じゃぁさ、これ頼んでワケワケしよ」って女の人が言って』
「うん?」
『え?「ワケワケ」?って、いま「ワケワケ」っていった??って感じなのよ』
「ふふ(笑)はい(笑)」
『最初は聞き間違えかとも思ったんだけど…男の人の方も「よし、ワケワケするか」って言ってて、あ!「ワケワケ」だ!って思って』
「ワケワケ…」
『そう…「ワケワケ」ってなに!?ってなったのよ。2人とも真剣に言ってるからなんだろうって』
「まぁ…分けるんじゃないですかね?何かを」
『私もそう思ったんですよ。それでさ、少ししたら後輩が戻ってきて、それで私たちも注文したのね』
「うん」
『んでさ…料理が来て、それをね、こう…「たべたべ」して』
「たべたべ(笑)」
『それでさ「ごちごち」になったから、ちょっと「しゃべしゃべ」して、それで「レジレジ」に行ったのよ』
「わ!もうやかましいな(笑)普通に言いなさいよ(笑)」
『それでね、立った時にチラっと横見たら、2人ともそれぞれ別のパスタ食べてるのよ』
「うん」
『そしたら男の人が「一口貰ってもいい?」って女の人に聞いてて』
「はいはい」
『それでさ女の人がさ「あー…いいよ」みたいにちょっと悩んでから答えたのよ』
「はいはいはい」
『つまり、料理をシェアすることを予め決めていたわけではなかったのよ!」
「おお!」
『「ワケワケ」ってなに!?』
「わかんないね!(笑)「分けること」で言ってたならね…そういう会話は起こらないもんね」
『でしょ?なんなんだろうね』
「不思議ですね」
『知ってるリスナーがいたらお便り待ってまーす』
「いないだろうね(笑)」
『いや、もしかしたらあの時に2人組が…………………………………………………………………
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第146回放送分より 〜ワケワケ〜
女子高生ラジオ @Hisa-Kado
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