もしも二人でデートして 6月3.ドラマチックに

たまにはボクから手を繋ごうと意を決するも届かず、いきなり肩なんかは無理で、もぅどうしたら?

と思っていると彼女に手を握り返される。


「ホント、しょーがないね?」

だぁそのイタズラっぽいウィンクはヤバすぎる!

その上彼女の薄い色の髪が目の前でキラキラとはためく。


甘い花の香りがした。

_トキメキってこんな簡単なんだ?

後ろから堪らず彼女を抱きしめて、

「先輩」

「ダメ。やり直し」

精一杯の気持ちで、抱きしめたがやり直しを食らった。


ドラマじゃないんだからそこは許して下さいよ!

そしたらいきなり先輩が抱きしめたままのボクの耳元に

「ゆうた」

ぞくぞくした。

耳だからということだけじゃないだろう。

そうか。名前を呼ぶのか。


もう一回離れて、後ろからそっと抱きしめ、

「みゆ。好きだ」


コキ


あ、それはダメなんじゃ、、

左手首を捻られた。

「捻りがない。ロマンが足りない」

だからってボクの手首捻ることないじゃんか。


捻ると言ってもどうしたものか。

このままではボクの左手が取れてしまう。


ちゅ


「好きあり」

好き放題されていた。


ちゅちゅちゅ


んな何回も!?


「まぁだ?」

まさか、ちゃんとできるまでこのまま路ちゅー三昧なの!?


思えばボクはこんな恋をしたかったんだなと感慨深くなっていると、

「ダメ」

もうちょっと遊ばせて。


彼女が赤い顔で言うので視線を下げる。

思いっっっきり胸を触っていた。


おぃ無意識って?

ボクの意識に許可なく手は彼女に伸びていた。

「ごめん!そんなつもりは!」

慌てて離すが、

「つもりはないの?」

小首を傾げる彼女に意味深な質問をされた。

「この手は私に惹かれて忍び込んだんだよね?」


「あ、うん」


「じゃあ、大丈夫だ」

は?

彼女は「続きをどうぞ?」と言わんばかりに胸を突き出す。

あ、いや、あの、、

「ダメ!」

「意気地なし!」


両手で顔を覆うボクを彼女はひっぱたき、

その流れで片手をひっ捕らえた。

彼女はその手を自分の胸に当てる。

「どう?」

服の上からでも伝わる弾力はそれでもふわりと柔らかく、さらにほんのり暖かい体温を乗せてくる、心音、、、


とくん とくん


ゆっくりだが、確実に早くなっていく。

「は、は、早くしろ!」

まっ赤になった彼女に怒鳴られた。

これ以上を知らないボクは何もできないのだった。

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