第21話 vs ゴルゴ―ン
「――あっぶな」
かろうじて避けきることができた。
蛇髪からビームとか来ると思わないだろ、普通。
しかもご丁寧に石化のおまけ付き。
咄嗟に壁に使った炎壁が石化して砕け散った。
伝説の怪物そのままだ。
「これ倒さねぇと先には行けないってか? ……上等だ」
無意識に口角が上がる。
これまで遭遇したどの魔獣よりもはるかに強い。
というかソロで挑む相手じゃない。
それに人間が敵う相手でもない。
――普通なら。
「サタン曰く、この力は神を倒すためのもの。そう考えたらたかが怪物くらい余裕で倒せなきゃだめだよな」
反抗するための力は得た。
なら、後は立ち向かうだけだ。
「悪いが、俺はこの先に用があるんだ。そのためにお前を――――超えていく!」
「ァア――――――!!」
ゴルゴ―ンの叫びと同時に駆け出す。
弱点も何もわからないがとりあえずぶん殴ることに決めた。
狙うは顔面。顔を殴られりゃあの巨体でも怯むだろう。
――魔力の高まりを感知。
蛇髪が全て俺の方を向いた。
これは来るっ!
「アァ――――!!」
「ちっ! 〈
足に蒼い炎を纏い加速する。
イメージはジェット噴射。
咄嗟に方向転換してビームを避ける。
俺が立っていた場所にビームが集中し、そのまま俺の後ろから追尾してくる。
とにかくビームが止むまで逃げ続けなければならない。
壁を利用して縦横無尽に走り回る。
「アァァァ――――ッ!!」
「一発も当たらないからってそうイライラすんなよ。馬鹿にしてると痛い目見るぞ」
ゴルゴ―ンがイラつき交じりの叫び声をあげた。
蛇の尻尾を振り回し、暴れまわっている。
その間顔は無防備だった。
ジェットを利用し、一気に顔の前まで飛んでいく。
「これでも食らえ!〈
「アァァァァァァァ!!」
ゴルゴ―ンの横っ面に思い切り拳を打ち付ける。
それなりの衝撃はあったようで、悲鳴を上げた。
しかし……。
「い……ってぇなぁ、硬すぎるだろっ!?」
顔を殴ったとは思えないほどの硬さを感じた。
まるで強固な壁を殴っているような。
さすがにこれをあと何十回と続けるのはきつい。
一発で確かに痛そうにしているが、ダメージとしては大したことはなさそうだ。
「さて、どうしたもんか……ん?」
ゴルゴ―ンの動きが止まり、何かをこらえるかのように震えている。
一体何を――――蛇髪が何十本か落ちた。
まさか――!
「おいおい、嘘だろ!?」
「アァ――――!!」
ゴルゴ―ンが叫ぶと同時に落ちた髪は形を変えていく。
人間サイズのゴルゴ―ン――いや、ラミアと言った方が正しい。
ゴルゴ―ンは自分の髪からラミアを生み出すことができるらしい。
時々いる、ゲームのボスのような反則級のことをしてくる。
反則にもほどがあると思うのだが。
ゴルゴ―ンを相手にしながら無数に増えるラミアの相手もしないといけない。
しかも、いつビームが襲い掛かってくるかもわからない。
「…………おもしれぇ。やってやるよ!」
ここからは第二ラウンドだっ!!
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