「宴」
金曜の晩。俺は同僚達と街中で歓喜の声を上げていた。仕事が終わって酒を飲んでいたのだ。美味い。美味すぎる。ビール。酎ハイ。いも焼酎。なんでもござれだ。
職場の同僚達も盛大に飲んでいる。良い。この和気藹々とした感覚が良いのだ。
一軒目。二軒目と次々とハシゴしていく。この調子で始発までいく。そう思っていた。
「悪い! 嫁さんから電話!」
「俺ももう行くわ! 子供まだ小さいからさ!」
「俺も朝早いんだわ!」
「おいおい。まだ十時にもなってないぞ」
俺は同僚を止めようとしたが、そのまま同僚達は去って行った。
「全くなんだってんだ」
飲み足りない俺は一人、飲んでいた。この歳になるとみんな家庭を持ち始めて、子供が産まれる奴らも増える。
当然、独身の時のようには行かなくなる。これが普通なのか。俺が変なのか。
よく分からない。ただ、時より酒で誤魔化せないほどの寂しさを感じる事もある。
「もう一軒行こ」
それでも、俺は酒を食らいにいく。
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