「孔雀の群れ」

 大都会のど真ん中を一人でぶらぶらと歩いていた。缶チューハイとスウェット姿。ラフを極めたスタイルで休日を謳歌していた。


 しかし、ここはどこを見ても着飾った人達ばかりだ。


 高級時計に靴に鞄。使い勝手なら他のメーカーにもっといいものがあるだろうにこぞって、同じものを選んでいる。


 きっと目に見えない価値がそこにあるんだろう。いつの時代も着飾るという行為には強烈な効果がある。


 色取り取りで栄華を着たような姿はまさに孔雀だ。この孔雀達が居続ける限り、この街も首都も繁栄し続けるだろう。


 そんな事を思いながら、缶チューハイを口にした。やっぱり僕はこれでいい。

 


 


 

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