「掌小説集」

「地震」

　地面が何度も揺れる。二足歩行の連中だ。

　日中揃いも揃って飽きずにそこら中を歩き回る。夜になると多少マシになるが，それでも何度か揺れるのだ。

　あいつらは影響を受けないかもしれないが，あいつらが勝手に作った環境の中で住まざる得ない僕達にとっては良い迷惑だ。

　ため息をついた時，信じられない揺れを感じた。

　人睨みしてやろうと思ったが、奴らの悲鳴が聞こえたのでそれで満足することにした。