「マイペース」

 晴天の下、僕は重い甲羅を背負いながら、日向ぼっこをしていた。晴れた日の恒例行事だ。他の生き物達は皆、何処かせわしない。まるで何かに追われているようだ。


 日光浴を終えるとゆったりと川の辺りを歩いていく。周囲では他の仲間達も皆、心地よさそうに太陽の光を浴びていた。


 しかし、彼らの雲行きが怪しくなった。当然だ。何故ならどう猛な獣が川辺に姿を見せたのだ。


 獣が僕の方に目を向けると一目散に駆け出してきた。僕はゆっくりと川の中に足を入れた瞬間、凄まじい勢いで川の中心へと移動した。


 泳げないのか獣は数秒うなった後、引き返していった。穏やかな日常には時にはこういうハプニングも付き物だ。


  このように常時緩やかに時に激しく行動する。生きることにおいてこれが最も大切だ。


 久しぶりに激しく動いたので僕は再び日光浴をすることにした。

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