第11話 ゆらゆらと


ゆらゆらと ただゆらゆらと


海月の様に透き通り 誰も僕を見ずに流れていく


ただゆらゆらと 月明りを映す水面に浮いて


気まぐれな魚たちに啄まれて


足を食われて それでも構わずにただ漂っている




ゆらゆらと ただゆらゆらと


僕に見えるものは 真っ暗な世界


瞬く間に消えていく蛍の様に


光はどこかへ消えてゆく




ゆらゆらと ただゆらゆらと


この身を任せて 流れ着くのは砂の上



ゆらゆらと ただゆらゆらと


朽ちていくのを待ち詫びる






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