第7話 溺れて



怒れる心は


内から生み出されるのではなく


波の様に押し寄せられるもので


逃げようとしても 足を拐いに打ち寄せる



そうして囚われてしまうとあっという間に溺れそうになって


もがけばもがく程、深く海底に僕を引き摺り込んで


その苦しさにまた怒りが込み上げて


もう身を任せてしまえば楽になるというのに


苦しまずには居られない



ほんの少し暴れるのを止めて


体が浮くのを待てば


浮上できると知りながら


それでも喉を塞ぐ恐ろしさと、肺に入り込もうとする憎悪の塊に慄いて溺れ続けている




このまま溺れて沈んでもいい


そう思えたら


そう思えたら


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