第8話 シュレーディンガーの猫


あの時、僕は何を見ていたのだろう


今、僕はどこを見ているのだろう


焦点のブレた目で見る世界は余りに眩しく


目を伏せてしまいそうになる


見ても見なくても同じ世界


己の価値観でしか物事は測れない


自他があるから世界はこんなに美しい


自他が分かるから世界はこんなにも残酷だ


掌に何もない事を知りながら


大事そうに握っていた


心臓に早く針が届けばいいのに


君の笑顔はまだ見えない


早く僕を連れて行って欲しい



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