第74話

「よいしょ、お待たせ!智くん!」


「どわっ!?」


「わっ!!」


 潤と話していると、空間からにゅるんとでてきた着地。そして俺の腕に抱きついた。


「ん? ……あぁ、君が例の聖女であり男の究極矛盾君だね!智くんから話は聞いているよ!」


「きゅ、究極矛盾!?」


 まて、俺何もそこまで誇張して言ってないぞ。


「ボクはアテナ。君達をこの背世界に呼んだ張本人だよ!よろしくね!」


「……………ええええ!!!」


 潤の悲鳴が響いた。


「か、かかかか神様っ!?」


「あ、なんかこの反応久々なんだけど……もっと驚いてもいいんだよ」


「そんなことより、アテナ。王との話し合いはどうだった?」


「そうだね。そのことから言わないと」


 王城についてすぐ、アテナは王のいる広間へと転移した。最初は不審人物認定して、何人かの衛兵が槍を向けたらしい。ちょっと表出ろ。


 しかし、アテナ王は、初代アテナの末裔であるため、例えアテナが二代目であろうと、本能的に、アテナの事が神だとわかり、すぐさま平伏したらしい。やっぱ分かる人には分かるもんなんだね。


 そして、アテナはかくかくしかじかと今この世界の事がピンチだということを話したが、既にアテナ王はアスタロトからそのことは聞いていたため、すんなりと話し合いが終わってここにいるらしい。


 ちなみに、カリーナの方はアテナ王の方に預けたらしい。まぁ久々に会うもんな。家族ゆっくり団欒して欲しい。


「それで、その次元の放浪者とやらはいつ倒しに行くの?」


「今から」


「………ん?」


「だから、今から行くよ。座標はアスタロトくんから聞いたから、皆を連れて今から行くよ」


「………まじ?」


 え?こういうのってなんか色々と準備とかしないといけないでしょ?ほら、よくある勇者だったら伝説の聖剣的な。


「神が介入してるんだから、準備なんていらないに決まってるじゃん」


 アテナ曰く、神と同等とは言っても、存在感が希薄なのだからあんなもんデコピン一発らしい。


 まじか……デコピン一発……。


「と、言うことで潤くん!智くんを2時間くらい借りるね!それでちょっくら世界救ってくるから」


「おい、コンビニ感覚で言うなよ」


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