第68話
「文明を……?」
「そうさ。文明を、世界を喰らい、今にも消えてしまいそうな体を食い繋げて生きて、全て食い尽くしたら次元を放浪して、たまたま行き着いた世界を食い尽くす。全く……とんでもない悪食だよねぇ」
はぁ、と頭に手を置いてため息を吐くアテナ。その顔は、ふだんの飄々とした感じではなくて、本当に困ってると言った感じだった。
「次元の放浪者は、強さだけなら神と同格くらいなんだ」
「………何?」
その言葉を聞いてシトラスが反応した。
「なんせ、神でしか出来ない次元の移動を、彼らはできるんだ。残念だけど、魔王ちゃんが叶わないのも無理はない。だって相手は神なんだからね。その点では魔王ちゃんはとても運がいい」
「は……はぁ……」
「くっ、すいません。私が不甲斐ないばかりに……」
アリアドネの方は魔王としての記憶が無いため、首を傾げているが、ヘラの方はとても悔しそうな顔をしている。
「それじゃあどうやって倒すんですか?この世界最強クラスの魔王様でも倒せないのなら、一体どうやって……」
アイハが、こっそりと手を挙げて質問をする。
「そうさ。そのためにボクがいる」
アテナは胸に手を当てた。
「今まで、ボクは智くんに名ばかりの
「ちょ!?名ばかりなのかよ!!」
だから、何度やってもスケルトン出なかったんかい!グリゼルダさんに優しく教えて貰いながらでも出来なかった理由ってそれかい!!
それを聞いて、グリゼルダさんの方もあの時の記憶を思い出したのか、額に手を当てた。
「そうさ!智くんの本当の職業は、『ボクの旦那様』ーーーーー」
「……………」
「ーーーなんて冗談はともかく、本当の職業は『
エリーの睨みによってふざけるのを辞めたアテナ。しかし、
呼び方だけだったら一緒だが、あれか?死霊術師ではなくなったのか?
「なぁ、それって何が変わったんだ?」
「今までの智くんの職業は死霊術師だったんだけど、ボクがこの世に降り立った時点でキミに仕込んだ偽装は解かれていて、神の代行者となっているはずなんだ」
は?神の代行者?なにそのすっごい初期の厨二病がなんか最初に考えそうな設定(偏見)。
……まぁ、神の代行者……うん、なんか厨二病チックでいやだが……まぁいい。でも呼び方がネクロマンサーはおかしくない?
「キミの行動はーーーというより、何かを召喚する時のあれは、ボクの代わりにやっていた。ボクと智くんをリンクさせるために天から鎖とか投げてたんだけど……」
「……やっぱあれお前の仕業だったのか……」
薄々気づいてたんだけどな。
しかし……神の代行者か………。
「ダサいから今まで通り
「なんでぇ!」
いや、だって……ねぇ?
みんなに視線を向けると、黙って頷いてくれた。
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新作出しました!
初めてプロットも書いたし、かなりの面白そうな設定(多分)で、結構自信もあるので、宜しければ読んでください!
現ファンものの、近未来地球が舞台です。
『ヒロイック~戦場の華に紛れる、一輪のイレギュラー~』
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