第65話

「…………………」


 パチリと目を覚ました俺。寝ていたはずなのだが、やはり眠っていたような感じはぜんぜんしないのだが、眠気はない。


「結局宇宙神ってなんなんだよ………」


 スケール大きすぎて気になりすぎるのだがっ。







 えーっとこうして……こうして……。


 さて、現在俺はアテナに言われた通りに、いつもの要領で死霊術師ネクロマンサーの………今更だけど俺本当に死霊術師ネクロマンサーなの?


 さて、ここで俺が今まで呼び出したのを紹介します。


「のじゃ?」←吸血姫


「……?」←堕天使


「あら……?」←人


 おかしくない?一度死んでいるとはいえおかしくない?唯一死霊術師ネクロマンサーっぽいことしたのってアイハの時だけなんですけど。


「……っもう。智くん。私たちに熱い視線を向けるのはいいけど、そっちに集中しなきゃダメよ?」


 ちゃうねん。そうやけどちゃうねん。


 心の中でなんちゃって関西弁で突っ込んでから、魔法陣を書くのに集中する。


 前一度、裏切った宮廷魔道士のメルトって言う人がもしかして嘘教えてたんじゃねーの?と思ったが、シトラスいわく、このよく見る三角形が上下で重なっている『デュアルデルタ』の型はあっているらしい。じゃあなんでスケルトン呼べないんですかね…………。


「よし……っと」


「…智殿は態々魔法陣を描かないとダメなのか?」


「……まぁご主人は魔法が苦手だからのう……こうやって魔法陣を浮かばせるのはまだ出来ないのじゃ」


「うるさいよ!そこ二人!」


 ちょっとコンプレックスに思ってること態々口に出して言わないでいいから! とシトラスとヘラに注意する。


 アスタロトに連れてこられたヘラなのだが、何の因果か知らないが、俺のことを『智殿』と呼んでいる。


『破滅』の二つ名を持っていたので、もしかしてめちゃくちゃ怖いのでは?とか思ってたけどそんなことは無かった。ただアリアドネに対する忠誠心がちょっと変なベクトルにイッちゃってる子だった。


 ちなみに、破滅の由来を聞いたら彼女が産まれ持ってる破滅の魔力っていう全ての物を塵にすることが出来るっていうトンデモ能力を持っているかららしい。絶対この人の機嫌を悪くさせないようにしようと誓った。


「さて……」


 とりあえず、魔法陣は完成。魔法陣を描いた杖をそのまま横にして両手で持つ。


 目を閉じて集中する。


「目覚めよぼうれーーーーっ!!!」


 詠唱を開始した瞬間、空が神々しく光輝いたと思った瞬間、天から俺に巻き付くように鎖が降りてくる。


「かっ……あっ……」


 ギチギチと首を締められ、息を吸うのも苦しくなる。


 出てくんの早いじゃん……今日はなんでこんなに早いんだよ。


「ご主人!」


「智様!」


 さすがに様子のおかしい俺を見てエリーとシトラスが近寄るーーーが。


「ぬおっ!」


「くっ……!」


 近づこうとした瞬間、見えない何かに弾き飛ばされた。シトラスはセラフィスとグリゼルダさんに受け止められ、エリーはヘラとアリアドネが慌ててキャッチした。


「ーーーー来るは、知恵の女神」


 俺の意思とは関係なく、口が勝手に動き、言葉を発する。


「今、我が因子の共鳴し、その無垢なる姿を表し、勝利へと導け!」


 そう言った瞬間、ピカーっ!と更に強く魔法陣が輝き始め、ありえないほどの力の奔流を感じた。


「んぐっ…!」


 やがて、詠唱が終わると、鎖に寄って無理やり立っていた俺の体が解放され、力の入らない俺の体はそのまま地面に倒れこーーーーー


 ーーーーふにょん。


 ………ふにょん?


「あちゃあ……ごめんね?智くん。こんなになるとは思わなくて……ご褒美、私の胸の柔らかさ堪能しててもいいよ」


 と、軽く頭を押さえつけられ、そのまま抱きしめられた……ってこの声……。


「やぁやぁ智くんハーレムのみんな。ボクこそ!智くんの正妻であり、君たちを智くんの元に呼んだ元凶のアテナだよ!よろしくね!」


 現れたアテナは、新しく爆弾を投下したのとった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

詠唱考えるだけで10分時間を掛けた作者

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