魔王城にて…………
(………っ!なんだ、この気配は……)
魔王城を歩いていた、魔王四天王である『破滅』のヘラは、突如として湧き出てきた協力な気配に身をすくませた。
「場所からしてーーーーっ!!魔王様!?」
直ぐに気配の位置を逆算したヘラは、急いでその気配の位置である魔王の間へと急いで向かう。
魔王の間に近づくほどに、嫌でも感じてしまう死の気配。魔族よりも強力なその気配に本当だったらヘラは今すぐにでも回れ右をしたかった。
しかし、魔王の事が心配という一心で、何とか魔王の間にたどり着いたヘラ。途中、何人か魔王の間から逃げてきた同胞たちにも目もくれなかった。
「っ、魔王様!」
自身を押しつぶすプレッシャーに負けず、扉を開くヘラ。そこには、自身の目を思わず疑ってしまう程の光景がそこにはあった。
「くっ……あっ……」
そこには、空中に釣られている魔王であるオシリス、そしてオシリスの首を掴んでいる何者か分からないほどに黒い影で覆われている謎の人物。
「貴様ぁ!!魔王様に一体何をしている!!!」
怒りと共に、自身に眠る魔力が数倍に跳ね上がった。
彼女が『破滅』たる二つ名の由縁は、ヘラの特殊な体質による。
『破滅の魔力』と呼ばれる、触れたもの全てを塵に溶かす強力な魔力弾を用いて、幾人も人を塵へと変えてきた。
デメリットは規模の小ささと、連射が出来ないくらいだが、それ抜きでもヘラは強い。
普段ならば、直径焼く10センチほどしか破滅の魔力を練り上げることしか出来なかったが、魔王の危機ということで、その限界が突破され、今、この瞬間、ヘラの目の前には人なんて軽く覆い尽くす程の球体が出来上がり、オシリスの首を掴みあげている者へと向かっていく。
しかしーーーーーー
「………邪魔だ」
「なっーーーーんぐっ!?」
まるで、コバエを叩くようにペチッと叩かれた破滅の魔力は、あさっての方向へ飛んでいき、間髪入れずに、ヘラは威圧だけで吹き飛ばされ、壁に背中から激突した。
「……時間を取った……今殺すぞ。障害物」
と、黒い影は左手をオシリスへと向けると、底から黒い球体が出てきて、徐々に大きくなる。
「……………ん?」
それが、オシリスを飲み込み、その手にオシリスの姿が無くなった後に、影は自身の手を不思議そうに見つめた。
「………思ったよりも力を使ったか。亜空間に飛ばしたはずが、足りずにこの世界のどこかに吹き飛んだか………まぁいいだろう」
と、影は気絶しているヘラへと目を向けた。
「……あの小娘を手駒にしたかったが……予定よりも力が足りない……今一度、少し眠りにつかなければーーー」
といい、影は頭上に浮かんでいるブラックホールのようなものを生成し、その中に飛び込んだ。
その後、その黒い球体は直径50cmほどに収まり、静止した。
これは、智達がハインケル砦に出発する少し前の時間帯である。
「ま……おう、さま……」
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新作の方もよろしくお願いします!題名変えました!
『
今回、結構上手く書けた気がする。
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