第54話
1日経ち、ようやくハインケル砦が見えてきた。
「……でかいな」
「のじゃ」
「魔族もいっぱいいるな……」
茂みから顔だけを覗かせて、ハインケル砦を見る。
本隊はここから2キロ離れた場所で待機しており、魔族にバレないように、今潤が結界を貼っていて、機動力のある俺とシトラス、それなら五条が偵察をしている。
「俺たち、攻城戦とか初めてだけどさ、ぶっちゃけ何について観察すればいいのか分からないよな」
「五条。それ言うなら俺ら戦争も初めてだからな?俺たち、普通のジャパニーズハイスクールスチューデントだから」
平和な時代で生きてきたの。外国はやばい所とかあるけど……。
なので、ここは前の世界で魔王でもあったシトラス先生に意見を求めようと思う。
「……我も魔王ーーーー平和を目指していた魔王じゃからな。我も経験はないのじゃ。知識だけならあるが………」
あ、それでもいいので、教えてください。
「攻城戦の基本的な手法として上げられるのが、包囲、開城交渉、強行、城の破壊、城兵の損傷、内応、奇襲、奇策・錯乱等の手段があるのじゃが……今回、我らの布陣と戦力を考えれば、1番妥当なのは、強行じゃろうな」
強行。城壁をよじ登る。雲梯、梯子を掛けるなどなど、強引に攻撃を仕掛けて城門を占拠する戦い方。しかし、攻城側が侵入できても、篭城側の兵士の士気が高ければ、返り討ちにされる可能性もあるらしいがーーーーー。
「五条が門を突破、そして五条が砦内の魔族の制圧。これで充分でしょ?」
「ちょっと待て大河」
え?だってそれが一番現実的じゃない?勇者の攻撃だって分かれば、味方兵士の士気も上がるだろうし、もしかすると、魔族側の士気が下がって投降とかしてくれるかもだし。
ほら、だってアテナに敵は魔族側じゃないって忠告も貰ってるし、来る時に備えて魔族側の被害は今のうちに抑えていた方がいいだろうし。
「それって、俺の苦労すごくないかい?まぁやるけど………」
「頼むぜ勇者さんよ。お前が暴れている間に、俺がチャチャッとアスタロトとの戦い終わ痩せるから」
そして、潤の呪いを解く。これで全てオールオッケーさ。
「これ以上、見ても外からでは何も情報は得られないのじゃ。ご主人、五条。本陣に戻るのじゃ」
「おう」
「分かった」
大まかな作戦はこうだ。
まず、五条が勇者の力で、門番を門ごと叩き割ってからダイナミックこんにちはをした後に、潤が、魔族に関しては入ることも出ることも出来ない結界を貼る。潤まじすごくね?という疑問は一旦置いておいて、結界を貼った後は城の内部突入組と城壁占拠組に別れてから、城の占拠を開始する。
なお、俺とシトラスは空を飛べるため、速やかにアスタロトを討つ仕事になっている。
ので、現在、俺は空を飛んでます。
「………あいつ、マジやべぇな」
目下では、五条が勇者の技能として使える『閃光剣』なるもので、門を叩き斬るのを確認した。
なんか、五条の剣が約束され○勝利の剣みたいに伸びて、門を叩ききって、雄叫びを上げながら門内へと侵入していった。
………さて、俺達も動くとするかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カクヨムコンに現在、私の作品を三つ応募しています。
まず、カクヨムコンの方に、『声しか知らない嫁さんと本当に付き合う』と、『死霊術師ネクロマンサーってそうじゃねぇだろ』
そして、短編の方に『隣の家の不思議なシスターと不思議な関係』を応募しております。
さらに、先程、またまた短編の方へ『結婚しよう、メイドさん』という勢い100パーセントで書いた短編を投稿しました。宜しければそちらも応援をよろしくお願いします。
応援の方、よろしくお願いします。ついでに、この作品のフォローと星評価三つもよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます