第37話

 結果的に、スケルトンを呼んでお掃除をサボーーーーーコホン、手伝わせることは出来なかったが、まぁいい。こうして新しい仲間である堕天使フォールンのセラフィスが仲間になってくれた。


「せ、セラフィス様……こちらへ」


「セラフィス……どうじゃ?暖かいかの?」


「はい………」


 どうやら、セラフィスは人に甘えるのが好きなようで、温もりを求めてエリーとシトラスと俺をあっちこっち、フラフラと歩いている。それもまた可愛い。


 あれだなー。なんであんな子が堕天使なんだろうなー。


 掃除の合間にセラフィスに癒されてやる気が上がった、やる気がなくなったらセラフィスに癒されてやる気が上がって……この繰り返しで、異常な程にやる気が出た俺たちは2時間程度で掃除を終わらせることが出来た。


「マスター」


「おっと」


 背後から、ギュッ、とセラフィスが抱きついてくる。どうやら、俺の背中がお気に入りになったようだ。


 あれだな。ほんと可愛いなセラフィス。なんかあれだな。俺に埋め込まれている勇者因子の影響で他人に惚れやすくも惚れられやすい体質になっちゃってるけど、こうも簡単にドキドキしちゃうと三人に悪い気がする。


 いや、でもみんな可愛いし、心臓が勝手にドキドキしちゃうもんなぁ………。そうだな、逆に考えるんだ。ときめいちゃってもいいさ……と。


「マスター……」


「おっふ……」


 んもぉぉぉぉ!!ホントこの子甘え上手だなぁ!マスター抱きしめちゃう!若干のキャラ崩壊が起こったような気がするが、まぁ気にしない。背中にへばりついているセラフィスを一旦離してから抱き上げた。


「………………………」


 そういえば……今更だけど、俺ってシトラスやセラフィスになんで死んでしまった理由とか聞いてないよな………。


 いや、デリケートな問題だし、そう簡単に聞いてはいけないとも思ってるけど、俺は二人についてしっかりと知りたいと思っている。


 勝手に呼び出して(アテナが)、もしかしたら、本当は戦うのが嫌だったりするかもしれない。今まで目を逸らしていたが、これはしっかりと聞いて、受け入れなければならないことなんだろうな………。


「………マスター?」


 銀色の瞳を揺らし、心配そうにこちらを覗き込んでいるセラフィス。


「………いいや、なんでもない。行こう、エリーが夜ご飯を用意してくれている」


 この問題は、近いうちに解決しないといけない。


 それが、俺という死霊術師ネクロマンサーとしての責務だ。


 ……まぁ普通の死霊術師ネクロマンサーはこんな悩み事しないでいいかもだけど。


 窓から中庭を見ると、シトラスがカリーナに魔法を見せている。なんでも、カリーナもいざという時には最低限でも戦えるようになりたいとの意思で、シトラスから魔法を教わっている。シトラスと目が合うと、嬉しそうに手を振ってくれた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前話にて、セラフィスについての色々なふかーい考察がありました。


………ちがうんや。ただ作者の好みなんです。だから堕天した理由はあるけど、80パーセントは作者の好みなんです………。

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