制裁

 バルバトス別れ、2日経ったメルトは、とある1つの魔法陣の前でほくそ笑んでいた。


「ククッ……この作戦が成功すれば、いよいよカリーナ姫は私のものに……」


 王国の秘宝、カリーナ・オルフェウスえと邪な思いを寄せるメルト。


「さぁ!いでよいでよいてよ!魔王軍の蹂躙の始まりだぁぁ!!!」


 大声で、両の手を空へ広げ、不気味な笑い声を上げる。メルトの目の前にある魔法陣が輝き、そしてーーーーーー弾け飛んだ。


 ドガァァァァァァンン!!!


「へーーーんぐっ!?」


 爆発の余波で吹っ飛ばされたメルト。ゴロゴロと数メートル程転がると、慌てて魔法陣へと目を向ける。


 そこにはくそ丁寧な字で『ばーーーか』と盛大にメルトを煽る文があった。


「何事ですか!メルトさん!」


 そこに、心の中では大爆笑中の勇者である亘が登場した。


「……!ゆ、勇者様!王城の見回り中に、不審なーーーーーー」


「うん、それは君の方かな……この裏切り者が」


「ーーーー魔法陣が……へ?」


 勇者でたる亘に取り入ろうと一瞬考えたメルトだが、それは無情にも亘の手によって切り裂かれた。


「え……血?」


「残念だけど、君たちの作戦は騒ぎにすらもならないよ………兵士さんたち、お願いします」


「はっ!勇者様もお疲れ様でした!」


「な……ぜ……」


 首から血が盛大に吹き出した。亘は、その光景を眉1つすら動かさないまま、メルトの死体を見た。


(……この手で人を殺したというのに……本当に何も感じないものだな)


「亘様……」


「……大丈夫。さ、メリル。必要ないとは思うけど、大河とエリザベスさんの方へ応援に行こう。こっちは呆気なく終わっちゃったからね」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最新話の29話、何故か三人称視点になっていので削除しました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る