第27話
「智様がいた世界ではどのような技術が発展していたのですか!?」
「あーっと……うーん、そうだねぇ……」
アテナ王からカリーナ姫の護衛を命じられ、2日経った。てか、護衛と言うよりももはやお世話である。エリーと一緒にせっせかお世話してたらなんかすげぇ懐かれた。
カリーナ姫は、水色の髪で、サイドテールでまとめており、見た目と違ってものすごい好奇心旺盛な姫様である。もうね、お世話たいへーん。
しかも寝る時まで一緒にせよってアテナ王から命令があったんですよ奥さんーーーって奥さん誰もいないから。このことを潤に話したら少し引かれた。うん、まぁこれについては何も言うまい。
二週間の休養ということで、大半のクラスメイトは喜んでいたが、五条は王の側近の……なんだっけ?なんか暗部的な人達とメルトさんにバレないように魔法陣の精査をしている。
ちなみに、ジョセフさんとメルトさんも二週間の休養を頂いており、ジョセフさんは奥さんの所へちょっと顔出しに行ってくると言っていた。メルトさんはなにやら魔法に使う材料を集めに外へ出ているが、多分あれバルバトスとか言うやつに接触測るから、鳩とネズミと狐の使い魔をメルトさんに付けさせている。ほんと、シトラスすげぇ。
そして現在、俺はカリーナ姫からものすごい質問責めにあっている。なんでもずっとずっと異世界の話を聞きたかったのだとか。
「えっとだな、まず俺たちの世界は地球って言ってね……」
と、出来うる限りの地球についての知識をカリーナ姫に教えていた。
三日目、今日はカリーナ姫に連れられて、なにやら自分が手がけている温室へ連れて行って貰えることに。手を引いて。
勇者メイドといい感じになっている男子や、ゆりゆりしている女子ップルから1人増えた!?みたいな感じの目で見られている。
「ここですわ!智様!」
ガチャり、とドアを開けると、そこには一面花の世界。ちんまりとした花から、人くらいの大きさのある花など、色とりどり大小様々な花があった。
「おぉ………」
「どうですか!智様!」
「……すげぇなぁ……そして綺麗だ」
「ほう……これまた見事に咲いておるのじゃ。管理がよく行き届いている証拠じゃな」
シトラスが屈み、花を触りながらカリーナを褒める。
「ここには、世界中にある珍しい花を、私が自ら赴き、そして採取し、見事に咲かせることに成功した花たちです」
と、カリーナはスタスタと歩き、とある花のところへいく。
「これは、センジュバナといい、南にある樹齢が1000年を超えた木の元にしか生えないとてもとても珍しい花で………」
と、カリーナの花知識が披露されるのであった。
「智様………これを」
「ん?」
一通り2時間くらいかけて花の説明を終え、温室に設置されていたテーブルでシトラスと休憩を取っていたら、カリーナが花を差し出してきた。
「………いいの?」
その手には、確か北の寒いところにしか生えていないキュウトウジュという木の元で生えるというヒョウセツカという花だった。
「はい!その………智様には色々とお世話になっておりますので…お礼の気持ちです!」
「………そっか、ありがとう、カリーナ姫」
と、10歳にちょっとデレる俺だった。いやぁ……女の子って、何歳でも女なんだなぁほんと。
「ちなみに、飼育方法ですが……」
この後、三十分かけて説明された。
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