第12話
スケルトンを呼び出す(はず)の魔法陣から出てきたのは、なんと骨ではなく銀髪紅眼の美少女がーーーーーってまてまてまてーい!
謎の美少女登場に誰もがポカーンと呆然と謎の美少女を見る。
「むぅ……不思議じゃ……何か誰かとパスが繋がっているような……む?」
両手をグーパーグーパーしていた両手から目を離した謎の美少女の視線が俺の視線と混じり合う。脳内で目と目が合う~という曲が流れた。
俺と目を合わせた銀髪美少女は数秒そのまま見合わせた後に周囲をキョロキョロと見渡した。
「………なんじゃここ……それに誰じゃ?」
あの……後半は俺たちのセリフなんすけど。
とりあえず召喚したのは俺っぽいので、メルトさんから特別に俺だけ訓練をやめて彼女についての情報を集めることになり、俺の部屋へ移動した。
「ほう……なかなかいい部屋じゃな、ほれ、お主茶菓子とかないかの?」
「……残念ながらここには無いな」
とりあえず、テーブルの椅子を引いて謎の美少女を座らせることに。ここに座ってくれと合図を送ると以外と素直に従ってくれた。
「……さて、まずなぜ君が現れたとか知りたいんだけど」
「むぅ………とは言ったものの、我とてよく分かっておらんのじゃ」
困り顔で眉を顰める謎の美少女。
「我は一旦死んだ身……いずれ、長い年月を掛けて勝手に復活するだった身が、どうしてこうも簡単に生き返れたのかーーーそれだって我とて分からん」
「ふぅむ……」
八方塞がりだなこれ。俺だってまだこの世界に来て2日だし。
「とりあえず自己紹介しようか。俺は大河智。君を何故か呼び出してしまったものだ」
「うむ、我は
「お、おう………ほら。俺の天職って
「……
「シトラスね……とりあえず、俺から色々と質問させてもらっていい?」
「もちろんなのじゃ。我も質問させてもらうぞ?」
それから、俺たちはお互いに質問を交えながら色々と情報を交換した。
まず、シトラスはこの世界、『ミゼラウス』とは別世界の魔王であることがわかった。まぁ俺たちも異世界の存在だからな、最初は驚いたけどすぐに納得した。
そして、シトラスは先程も言った通りに死んでいる。理由は当時の部下たちの裏切りによって封印されたのだという。
なんでも戦争を無くすためにシトラスがいた世界の人間と和平を結ぼうとしたらそれを良しと思わなかった魔王四天王の1人が裏切ってやられたんだと。
それを話している時のシトラスが悲しそうな顔をしていたので、思わず頭を撫でてしまった。その顔が潤が悲しんでいる時の顔と重なってしまい、咄嗟に撫でてしまった。
ペしっ、と1発胸を叩かれた。
次に分かったことは俺とシトラスの間に何か繋がり的な見えない経路が繋がっていると言っていた。多分召喚された時に繋がってしまったものだろうと思われる。
「むむむ………やはりお主と繋がっておるな…しかも、今の我は全盛期の半分と言った所か……」
「全盛期ってどんくらい?」
「ふむ?………うーむ、多分この国程度だったら簡単に滅ぼせるぞ?」
「うぉぉ…さすが魔王だな」
「ふふふ……お主、そう褒めるな」
照れたように笑うシトラス。なんか可愛かった。喋っている内容は物騒すぎるけど。
「……しかし……そうかお主は
「まぁ……あんまり詳しく知らねぇけど……スケルトンを呼び出したり、死者の魂を呼び出しするやつ?」
「うむ、大体はそう思ってもらっても構わんぞ。しかし、お主は本質的な事が分かってはいない。それは、呼び出した者は召喚者に対して絶対に逆らえないということじゃ」
なるほど………ん?
「いいかお主よ。我を呼び出したからと言って、何でもかんでもいう……こと………を」
言ってから気づく。
あれ?これもしかしなくても主従関係結ばれてます?
………って事はまさか俺とシトラスの間でパスが繋がってるのって主従関係の証!?まじで!?
「「…………」」
同じことを思っただろうシトラスと目が合う。シトラスの顔はどことなく赤く染っていた。
「………そ、その」
シトラスが唇を震わせながら呟く。
「……え、えっちな命令は…さ、さすがにダメなの……じゃ」
「しねーよ!!」
赤い顔のまま、右手の人差し指と左手の人差し指をつんつんと付き合わせながら恥ずかしそうに言うシトラス。
いや、一瞬だけ思ったけどさ?さすがに見た目小学生に手を出したらダメでしょ?こういうのは、ちゃんとお互いの好感度を上げてからで………。
「そのお主……いや、ご主人……様。あの、我、初めてだから…その…」
「だからしないって!!なんなら指一本君には触れないから!」
最初はスケルトンとか呼び出してこれが最強の骨軍団だー!なんて事ができると思っていた。
ゆくゆくは
でもさ、ひとつ言わせて欲しい。
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最終回ではありません。
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