第108話 琥珀センサー

「おー、やっぱり自分で作らないご飯は最高だねー」

「分かるなぁ。やっぱり実家楽だよね」

「そうかな?私は作ってあげたいけど……」


三者三葉な叔母達だが、亜希叔母さんと華夜叔母さんは料理面倒くさい派。逆に我が母と多恵叔母さんは夫に作りたい派と正反対になっているので面白いものだ。


まあ、共通してるのは夫婦仲ラブラブで子宝にも恵まれてることかな?あ、でもウチは俺しか子供居ないな。経済的にも身体的にも問題なさそうだけど、何か事情があるのだろうか?


まあ、今はいいか。


流石は祖母というべきか、旅館にでも来ているようなメニューが食卓には並んでいた。手伝いは琥珀のみだが、どこで何を手伝ったのか普通の人にはきっと分からないと思う。


そう、普通の人には……ね。


「それじゃあ、食べましょうか」


祖母のその言葉で食事はスタートする。

まあ、既にオジサン組は酔っており、祖父も酔いながら我が父に絡むという凄技を披露していた。


女性陣はお酒は飲まずに話を楽しんでいるし、従姉妹達も話しながら祖母の手料理を食べていた。


そして俺はといえば、夕飯の琥珀の隣を従姉妹に取られないように琥珀の隣をきっちりキープしていた。その様子に従姉妹達がニマニマしているが気にしない。


「お、この肉じゃが、琥珀が作ったんだよね?」

「う、うん……どうかな?」

「凄く美味しいよ」


そう言うとホッとする琥珀。


「あら?暁斗は今日は手伝ってませんよね。よく琥珀さんの作ったものだと分かりましたね」

「そりゃあ、恋人だしね。どれを琥珀が担当したかすぐに分かるよ」

「そう?私はお祖母ちゃんの料理との違いが分からないけど……」

「……ん。なら、暁斗他琥珀ちゃんの仕事全部説明して」


未来姉さんからのご所望に俺は答えていく。


「この煮物は具材の下処理を琥珀が担当してるね。こっちの魚料理は焼きかな?それと、おひたしもそうだね。それから……」

「えっと、琥珀ちゃん、お祖母ちゃん」

「……凄いですね。全て正解です」

「う、うん……あっくん、やっぱり凄いねぇ」


最近、琥珀の気配が少しでもあれば察知できるようになってきたのだ。今なら多分、30分前に琥珀がいた部屋なら触れた箇所を特定出来るぜ (ドヤァ)


……え?ストーカーっぽいって?


いやぁ、なんかもう琥珀が好きすぎてそのうち俺は人間を辞めるかもしれない。いっそ、超常的な存在になれば琥珀を守りやすそうだけど、同時におかしなバトル展開になりそうだから辞めておく。


俺は琥珀とのイチャイチャしたライフが何よりの宝なの。


まあ、幸いなのはこんな俺を未だにカッコイイと言ってる琥珀の存在だろう。祖母も珍しくかなりびっくりしてるくらいおかしなことだから、流石俺の可愛い琥珀だ。






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