第105話 可愛くて健気で優しい幼なじみはお好きですか?

「はぅ……」

「お疲れ様。ごめんね無理させて」


多恵叔母さんのお出迎えが終わったので、祖母に頼んで夕飯の準備まで琥珀と2人きりにさせて貰った。当然従姉妹達は文句を言っていたが、流石に琥珀も疲れるだろうし、俺もそろそろ琥珀成分が足りなくてヤバかったので助かった。


「ううん、皆優しくてびっくりしたけど……」

「琥珀の可愛さを満喫してただけだろうけどね」

「ふぇ!?わ、私そんなに可愛くないよ……」

「可愛いって。少なくとも俺の中では不動の1位だから」


ここで、世界一可愛いとか、宇宙一可愛いとか言うのは簡単だが、異世界という概念があった場合、または時間軸やパラレルワールドも含めてあった場合の表現が難しいので、俺の中での最高に留めておく。実に口惜しいが、琥珀の可愛さに言葉が追いつかないので仕方ない。


「むぅ……それなら、あっくんだって私の中で1番カッコイイもん」

「そう?琥珀の可愛さには負けるよ」

「そんなことないもん」


2人でそう言ってからくすりと笑い合う。そう、単純にお互いのこと好きすぎるのだろう。ただそれだけのことなのだ。


「夕飯の準備も手伝わせて悪いね」

「ううん、お祖母様からも色々教わりたいし、楽しみ」

「料理に関しては今泉一族で1番上手いのがウチの祖母だからね」

「そうなんだ……頑張る」


ぐっと、可愛らしく手を握る琥珀。まあ、あの人に関してはスペックが桁外れだからなぁ。というか、俺が知ってる中で完璧超人という単語が1番しっくりくる人物でもある。


「まあ、俺は琥珀の作る料理が1番好きだけどね。なんていうか、愛情というスパイスがよく効いてるし」

「そ、それは……あっくんが大好きだから当然だけど……」


もじもじする琥珀たんが、可愛すぎて、今日の疲れも吹き飛ぶほどだ。時間制限が辛いが、親戚に琥珀のことを受け入れて貰うためにも我慢しないと。


「でもね、私、もっと上手になってあっくんにもっと美味しいご飯食べて欲しいんだ」


「えへへ……」と照れ笑いする琥珀。すぅうううううううううううううううう、はぁあぁあああああああぁああああああああああああああああああぁぁぁ か・わ・い・す・ぎ・かぁぁ!!!!!!


健気すぎてもう、ワシ溶けてまうがな!理性がドロドロに溶かされて本能で琥珀たんを愛でてしまいそうになる。そのくらいのインパクトがあった。もう、可愛くて可愛くて、あかん。


可愛くて、優しくて、健気な幼なじみの彼女はお好きですか?アンサー、大好きすぐる!


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