第102話 伯父は愛妻家

「よ、暁斗」

「元気そうだな」


伯母さんや従姉妹達を通してから、しばらくして、2人の男性が荷物を持ってフランクに話しかけてきた。俺にとっては伯父にあたる人物で、亜希伯母さんの旦那さんの勝平伯父さんと、華夜伯母さんの旦那さんの修造伯父さんだ。


「今日も我が義弟くんが頑張ってくてるのかね?」

「ええ、まだ2人でいつものやり取りしています」


可愛い娘を奪った伯父さん連中にお祖父ちゃんが、良い感情を持ってないのは明らかで、その犠牲となる役目を毎回ウチの父親が担っている。


「まあ、お義父さんの相手は義弟に任せるしかないだろうな。そういえば、暁斗、彼女出来たんだって?」

「ええ、正確には幼なじみに告白して付き合ってるんですが」

「ほー、甘酸っぱいねぇ。あそこで娘達に囲まれてるのがそうか?」


伯父さんの示す視線の先では、我が従姉妹達が琥珀を囲んで色々話してるのが見えた。そろそろ琥珀を回収したいけど、今は楽しそうなので仕方ない。琥珀がウチの従姉妹と仲良くなれば、益々囲えるのだから良しとする。


とまあ、計画はそうでも感情は今すぐ琥珀を愛でたくて仕方ないのだが、まあ、それは可愛い琥珀なので仕方ないだろう。


「なかなか可愛い子じゃないか。まあ、亜希の方があのくらいの頃は可愛かったが」

「ああ、そういえば、そっちも幼なじみだもんな」


亜希伯母さんと勝平伯父さんは幼なじみだったらしい。でも、そこは反論させて貰う。


「いえ、俺にとっては琥珀が世界一なので。そこは譲れません」

「む?やるか?亜希なんて昔、バックプリントが猫柄のパンツ履いてるくらい可愛かった――いたっ!」


遠くからの見事なコントロールによるスリッパの投球で頭をさする勝平伯父さん。琥珀も保育園の頃はそうだったなぁ……今は普通のパンツだけど、あれはあれで良かった。


「勝平さんは相変わらずだね。暁斗はまだ子供なんだし張り合わなくてもいいじゃん」

「けどよ……」

「それに、下着だったら華夜の方が凄いよ?華夜はそもそも履いてな――あてっ!」


勝平叔父さんと同じく余計なことを口走ろうとした修造叔父さんは華夜伯母さんの投げたゴムボールの餌食となっていた。にしても、この距離で聞こえてるのが凄いな。もしくは女の勘ってやつかな?


しかしそうか……子供用パンツに、履いてないパターン……どちらの琥珀でも俺は多分悶死するだろうな。でも、他人には見せたくないから、ノーパンならズボンでお願いします。まあ、そもそも家から出さないかもしれない。俺の独占欲的に。


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