第94話 祖父母のイメージ
「あっくん、お祖父様とお祖母様ってどんな人なの?」
明日には、本家に行くというタイミングになり、最後の宿題片付けて部屋で寛いでいるとそんなことを聞いてくる琥珀。そういえば、琥珀は俺の祖父母に会ったことないな。
「普通に優しい人達だよ」
「私、大丈夫かな……家族でもないのにいきなり押しかけて……」
「琥珀は俺の彼女で、もう家族みたいなものだから大丈夫だよ。それに、俺も琥珀みたいな可愛い彼女のこと自慢したいしね」
そう言うと少し安心したように微笑む琥珀。うん、可愛すぎる。
「ただ、本家はここより田舎だから、琥珀には少し不便をかけるかも」
「あっくんと一緒ならどこでも大丈夫だよ」
「そっか、ありがとう」
なんて澄ましているけど、この可愛い生き物を愛でる衝動をどうやって抑え込もうか必死だった。
「確か、あっくんのお母様の実家……なんだよね?」
「うん、だから母方の実家なんだけど、父さんは婿入りというか、今泉姓を貰った立場なんだよ」
「そうなんだ」
「琥珀としては結婚したらどうしたい?」
ここで実家の方の苗字を名乗りたいと言えば、俺は全力でそれを応援する予定だ。別に琥珀と結ばれるなら苗字なんて変わっても気にしない。だというのに、琥珀は恥ずかしそうに微笑んで可愛いことを言う。
「あっくんの家族になりたいから、あっくんの苗字がいいなぁ……なんて」
はぁ……もうさ、可愛すぎじゃね?こんな健気な女の子他にいるだろうか?否!オンリーワンでナンバーワンなプリティー健気な彼女琥珀たんは俺の嫁 (キリッ)
「じゃあ、琥珀の気が変わらないうちに婚姻届準備しないとね」
「むー、変わらないもん」
「本当に?」
「あっくんしかいないもん……」
ちょっと、琥珀さん。その上目遣いは卑怯ですよ。まあ、俺も琥珀しか居ないけどさ。最速で結婚するなら、高校卒業してからになる。けど、その場合は親の承認が必要。
つまり、琥珀の両親にも婚姻届にサインを書いて貰う必要がある。その場合は俺はどんな手を使っても書かせるけど、出来れば成人してそんな手続きなく結婚したいものだ。
場合によっては、琥珀の父親は刑務所とかに居そうだしね。その場合は母親だけで大丈夫なのかな?その辺はまた法律調べないと。まあ、必要ならどんな手を使っても必ずサインさせる。琥珀との幸せな結婚のためなら、なんでもしてやる覚悟はあるが、それまでのあと数年……その期間、琥珀を愛でて有意義に過ごさないとね。
まずは祖父母への挨拶、大丈夫だろうけど琥珀のフォローはきっちりする予定だ。
そんな訳で、可愛い琥珀との時間を有意義に過ごすのだった。
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