第93話 伊達メガネ
コンコン。
控えめなノックで誰かは直ぐに分かった。
今日は確か、琥珀は遊園地のお土産を浪川に渡してきたらしいので、帰ってきたのだろ。
「入っていいよ」
そう言うとドアを開けて琥珀が入ってくるが……俺は一瞬フリーズしてしまった。
何故なら、琥珀は眼鏡をかけていたのだ。
視力はどっちも高かったはずだが、しかして、俺はそのギャップにやられてしまっていた。
ふぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!眼鏡琥珀たんやべぇえええええ!!!!!!何、俺、眼鏡属性は無かったはずなのになんなのこの可愛い存在は!?
「えへへ、どうかな?」
「可愛いけど……もしかして、伊達メガネ?」
「うん、黒華ちゃんと買ったんだ」
それにしても、恐ろしい子や。琥珀たん。俺の心臓を止めにきよった。本当に可愛すぎて俺は理性を無くしかけたよ。
「でも、いつもの琥珀も可愛くて俺は好きかな」
ギャップ萌えはあった。けど、素顔の琥珀も可愛くて俺は好きなのだ。
「そ、そっか……えへへ……」
嬉しそうに微笑みながら琥珀は眼鏡を外した。うん、脳内フォルダに保存はしたから、今度もう一回かけて貰おう。
「あっくんも付けてみる?」
「俺?似合わないと思うけど……」
そう言いつつ琥珀の温もりが欲しくて思わず眼鏡をかける。少し温かくてホッコリしていると、琥珀は俺を見て驚いたようにしてからぽおーっと見惚れているようだった。
あれ?琥珀たんもしかして、眼鏡かけた俺がかなりお気に召した感じ?
試しに顔を近づけて見ると琥珀は慌てて下がって転けそうになるが……俺がしっかりと抱きとめると、また俺の顔を見て真っ赤になってしまった。あー……ストライクだったのか。
俺としては眼鏡似合わないと思うけど、琥珀の中ではストライクだったのだろう。まあ、この程度で喜んで貰えるなら良しかな?
「琥珀、大丈夫?」
「う、うん……」
アワアワしながらも俺から目線を外せない琥珀。ヤバい……なんか物凄く攻めたい気分。可愛すぎて俺の理性が持ちそうにないんだけど、琥珀たんはどうしてこんなに可愛いのかしら?
というか、男の眼鏡属性はイケメンオンリーだろうに。俺はどう見たってそっちカテゴリーではないが……まあ、琥珀が気に入ったなら時々かけようかな。
とりあえず顔が近いので、思わず頬にキスをしていた。琥珀はそれで更に真っ赤になって「ふぁ………」と放心状態だったので、流石に少し自重することにした。やばいな、琥珀を可愛がるレパートリーが増えすぎて迷ってしまう。今度は唇を頂くとするか。
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